フィナステリドとデュタステリドの違いは?副作用や費用、注意点を解説

 

フィナステリドデュタステリドは、どちらも代表的なAGA(男性型脱毛症)治療薬です。
2つの薬の大きな違いは、働きかける酵素が少し異なる点にあります。

この記事では、フィナステリドとデュタステリドについて、費用の違いやAGAの症状によってどちらを選ぶべきか、また副作用の違いや併用が可能かどうかなどを解説していきます。

この記事の要約
  • フィナステリドは「プロペシア」のジェネリック医薬品(後発品)で、ヘアサイクルを正常な状態に戻す
  • デュタステリドもフィナステリドと同じ効果があるが、働きかける酵素の種類がデュタステリドのほうが多い
  • 働きかける酵素が多い分、デュタステリドの方が副作用のリスクが高い
  • AGAの症状が現れる箇所で、薬の種類は変わらない
  • フィナステリドの処方ならオンライン診療のAGAスマクリで可能

監修医師

成田亜希子 医師

成田亜希子医師は日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。一般内科医として幅広い疾患の診療に向き合った後、医療系行政機関にて勤務をし、病院や診療所への行政審査、行政指導、介護行政、母子保健、精神福祉等を担当。

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フィナステリドとは?

フィナステリドは代表的なAGA(男性型脱毛症)治療薬で、アメリカのメルク社が開発した「プロペシア」という薬のジェネリック医薬品(後発品)です。
フィナステリドはプロペシアと同様の効果が期待でき、内服薬として使用されています。

フィナステリドは、強力な男性ホルモン、ジヒドロテストステロン(DHT)によって乱されたヘアサイクルを正常な状態に戻すことで発毛・育毛をサポートし、薄毛や脱毛症状のある部分の回復を助けます。
乱れたヘアサイクルが元に戻るまでには数カ月かかるため、フィナステリドによる頭皮の変化を感じられるのは、服用を始めてから半年以降といわれています。

デュタステリドとは?

デュタステリド

デュタステリドもフィナステリドと同じく、代表的なAGA(男性型脱毛症)治療薬です。
AGA治療に対するアプローチもフィナステリドとよく似ていますが、働きかける酵素の種類がデュタステリドのほうが多いです。
そのためフィナステリドよりも高い効果を得られるケースが多いようです。

その効果と比例するように、副作用を発症するリスクも高くなります。
医師の診断に従って服用し、用法用量を守って服用していきましょう。

デュタステリドもフィナステリドと同じく、AGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成に影響を与えて発毛サイクルを正常化することで、薄毛部分の発毛・育毛をサポートします。

フィナステリドとデュタステリドは、作用する5αリダクターゼの型が違う

作用する5αリダクターゼの型が違う

AGA(男性型脱毛症)の原因物質は、強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)です。
そしてジヒドロテストステロンを生成する酵素には、5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型があります。

ここでは、フィナステリドとデュタステリドがこれらの酵素に対してどのような作用をするのかを見ていきましょう。

フィナステリドは5αリダクターゼⅡ型に作用

フィナステリドは人間の体内にある酵素の一つ、5αリダクターゼⅡ型に作用する薬です。
AGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)は、男性ホルモンの一つであるテストステロンが、5αリダクターゼⅡ型と結びついて生成されます。

ジヒドロテストステロン(DHT)は、体内にいる男児の発達や成長期における男性らしい体づくりに必要なホルモンです。
しかし成人後は男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結びつき、脱毛因子であるTGF-βが生成されてしまいます。
これがAGAの原因です。

フィナステリドは5αリダクターゼⅡ型の働きを阻害し、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制することで、脱毛が起きないようにする薬です。

デュタステリドは5αリダクターゼI型・Ⅱ型に作用

デュタステリドは5αリダクターゼI型・Ⅱ型に作用

デュタステリドはフィナステリドと同じく5αリダクターゼⅡ型にも作用しますが、同時に5αリダクターゼⅠ型にも作用します。
5αリダクターゼⅠ型は、特に皮脂腺や前立腺に多く存在している酵素です。
AGAの原因物質としては、5αリダクターゼⅡ型より影響が少ないと考えられていました。

しかし実際には、5αリダクターゼⅠ型も脱毛や薄毛といった症状に関係していることがわかってきたため、Ⅱ型だけでなくⅠ型にも作用するデュタステリドもAGA治療の選択肢に入っています。
なお薄毛・脱毛の改善効果を得るには、デュタステリドもフィナステリドと同じく継続服用が必要です。

フィナステリドとデュタステリド、生え際・頭頂部どちらが向いている?

AGAの症状は、個人によって現れ方が異なります
前頭部の薄毛、頭頂部の薄毛、またはその両方、および側頭部・後頭部を含めた頭部全体の薄毛・脱毛などが一般的なAGAに見られる症状です。
ここからは、5αリダクターゼがそれぞれの症状とどのように関係しているのかを解説していきます。

Ⅱ型は前頭部や頭頂部に分布

前頭部や頭頂部に分布

フィナステリドとデュタステリドが働きかける5αリダクターゼⅡ型は、前頭部や頭頂部に分布しています。

そのため前髪が薄くなったり、M字に脱毛が進んだり、頭頂部に薄毛のエリアが広がったりといった症状が顕著であれば、5αリダクターゼⅡ型が大きく影響したAGAと考えられます。

Ⅰ型は側頭部や後頭部に分布

側頭部や後頭部に分布

デュタステリドが働きかける5αリダクターゼⅠ型は、側頭部や後頭部を含め全身の毛乳頭細胞に分布しています。
毛乳頭細胞とは、毛根の中央にある毛母細胞(毛を作り出す細胞)に必要な栄養、または指令を与える細胞です。

前頭部(前髪)や頭頂部だけでなく、側頭部や後頭部を含めた頭全体に薄毛の症状が広がっている場合は、5αリダクターゼⅠ型もAGAの発症に影響しているのかもしれません。

ただし5αリダクターゼⅠ型とⅡ型、どちらの影響が強いかを判断するのは、外見的特徴からは難しいといわれています。
また5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の分布自体はある程度分かれているものの、それによって選ぶ薬が確定するわけではありません
自身で判断せず、医師が推奨した薬を使っていきましょう。

フィナステリドとデュタステリド、どちらの薬がいい?

薬を使ってAGAの治療をしたい方は、より自身に効果のある薬を使いたいはずです。
フィナステリドとデュタステリド、どちらの薬を使うほうがいいのか、ここでは副作用の観点も交え解説していきましょう。

デュタステリドは、比較的効果が高いが副作用も大きい

デュタステリドは、比較的効果が高いが副作用も大きい

デュタステリドは5αリダクターゼⅡ型だけでなくⅠ型にも作用するため、フィナステリドに比べると、より高い効果が期待できるといわれています。

しかし5αリダクターゼⅠ型にも作用するからといって、専門医が必ずしもデュタステリドをすすめるというわけではありません
作用する酵素の種類が多いため、性欲減少、勃起不全、射精障害など、性的機能への副作用が出る可能性も高くなります。

フィナステリドは性的機能に影響を与える可能性が低い

性的機能に影響を与える可能性が低い

フィナステリドが作用するのは5αリダクターゼⅡ型のみです。
多くのAGAでは前頭部と頭頂部に脱毛・薄毛の症状が見られるため、フィナステリドで十分な改善効果が期待できるケースも多くあります

またフィナステリドはデュタステリドよりも影響を与える酵素が少ないため、性的機能に悪影響を及ぼすような副作用のリスクも比較的少ないと考えてよいでしょう。

フィナステリドとデュタステリドは併用できる?

フィナステリドとデュタステリドは併用できる?

より高い効果を期待して、デュタステリドとフィナステリドを併用したいと思われる方もいるかもしれません。
しかし副作用のリスクからこれらは併用できません

併用可能なAGA治療薬としては、外用薬として用いるミノキシジルがあります。ミノキシジルと、デュタステリドもしくはフィナステリドの併用治療は、AGA専門クリニックでも多く行われているようです。

フィナステリドの処方ならオンライン診療のAGAスマクリ

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抜け毛予防の「フィナステリド(プロペシア)」に加え、髪を生やす「ミノキシジル」をセットで処方しているのが、AGAスマクリです。

毎月1〜2万円が相場のAGAクリニックの薄毛治療ですが、AGAスマクリでは月額4,980円 (税込)で「フィナステリド1.3mg」と「ミノキシジル5mg」を提供
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フィナステリドとデュタステリドどちらがいいかは、人によって異なる

フィナステリドとデュタステリドどちらがいいかは、人によって異なる

デュタステリドは5αリダクターゼⅠ型とⅡ型に作用し、フィナステリドは5αリダクターゼⅡ型にのみ作用します。
2つの薬は副作用や効果において違いがあるため、自身の状況に応じて薬を選択していくことが大切です。
どちらも継続していく必要のある薬ですので、AGA専門医とよく相談しながら使う薬を選択し、自身に合った治療を進めていきましょう。

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