多くの男性がAGAで悩んでいる中、フィンペシアは人気のある治療薬です。しかし、その効果と安全性については、正確な情報を得て慎重に判断する必要があります。
フィンペシアを使用する場合は、適切な用量と服用方法を守り、定期的に医師の診察を受けることが大切です。
本記事ではフィンペシアがどのような薬か、その効果、副作用、使用上の注意点などを詳しく解説します。また、個人輸入する際のリスクにも触れていますので、最後までお読みください。
フィンペシアとはどんな薬なのか
フィンペシアは、インドにあるシプラ社が販売するAGA治療薬であり、ジェネリック製品です。
主成分のフィナステリドは、5α-リダクターゼという酵素の活性を抑制し、薄毛の進行を防止する効果があります。1錠にはフィナステリドが1mgまたは5mg含まれています。
フィンペシアは現在インドでのみ認可されており、日本ではまだ承認されていません。そのため、入手するには個人輸入する必要があります。
フィンペシアの効果
フィンペシアはフィナステリドという成分によってDHTの生成を抑制し、毛母細胞の機能を正常に戻すことで、薄毛の進行を止め、新しい髪の成長を促進します。この効果は、定期的に長期間服用を続けることで持続することが確認されています。
効果が現れるまでには、一定の時間が必要です。個人差はありますが、一般的には、服用を開始してから3カ月後には、抜け毛の減少や細い髪の増加など、少しずつ変化が現れ始めることが多いようです。
そして、6カ月から1年ほど継続すると、発毛効果を実感できるでしょう。ただし、個人差があるため、効果の出方やその程度は人それぞれ異なります。フィンペシアは継続的に服用することが必要なので、飲み忘れないようにすることが大切です。
フィンペシアは安全?
フィンペシアは、プロペシアと同様の効果が期待できることから、安全性も同等だと考えられます。ただし、海外から個人輸入する際は、偽物のリスクがあるため注意が必要です。
また、フィンペシアに使われているコーティング剤の「キノリンイエロー」に関しては、発がん性物質であるという噂があり、海外では過去に自主規制の対象となったことがあります。しかし、日本では使用量に制限を設けることで、使用が認められており、一般的には、ごく微量であれば、フィンペシアは人体に悪影響を及ぼさないとされています。
なお、現在シプラ社のフィンペシアにキノリンイエローは使われていません。しかし、過去に製造されたものはキノリンイエローを含有しているため、気になる方は過去の製品を避けた方がよいでしょう。
フィンペシアとプロペシアとの違い
フィンペシアとプロペシアは、どちらもAGA治療薬です。主成分も同じでフィナステリドが使用されています。プロペシアはアメリカのメルク社が製造・販売する先発医薬品で、1錠に1mgのフィナステリドが含まれています。これに対して、フィンペシアはインドにあるシプラ社が製造するジェネリック医薬品で、1錠に1mgまたは5mgのフィナステリドが含まれています。効能効果、薬理作用、副作用などは基本的に同じです。
また、フィンペシアはプロペシアと比べて価格が安いことが挙げられます。ただし、先述した通りフィンペシアは日本で承認されておらず、個人輸入で入手することとなります。個人輸入では医師の処方や指導が受けられず、副作用のリスクも高まります。自己責任で使用しなくてはならないためおすすめはできません。
一方、プロペシアは承認されているため、AGA専門クリニックなどを受診し、医師の判断で処方してもらうことができます。
フィンペシアの副作用とは
副作用1:精力の減退
フィンペシアの服用には、性欲減退や勃起不全(ED)のリスクがあり、フィンペシアを服用することで、結果として男性不妊になる可能性があります。
これはDHTが性機能に関わるホルモンであるため、フィンペシアがこのホルモンの生成を抑制することで起こる副作用です。臨床試験によると、フィンペシア服用者の1〜2%程度の人にEDが観察されています。
男性にとってEDは深刻な問題です。パートナーとの関係にも悪影響を及ぼすでしょう。そのため、もしEDの症状が現れたら早めに医師に相談することが大切です。
副作用2:精液量の減少
フィンペシアを服用すると、精液量が減ることがあります。これは、フィナステリドが前立腺に影響を与え、精液の生成に関わる精嚢腺の機能を抑えるためと考えられています。
精液減少自体は健康上の重大な問題にはなりにくいです。しかし、妊娠を希望するカップルの場合は重要な副作用となるでしょう。
特に、精液量の減少が顕著である場合や、パートナーが妊娠できない場合などは、医師に相談することが重要です。医師とともに適切な対処法を検討し、最善の方法を見つけましょう。
副作用3:肝機能障害
フィンペシアを服用すると、肝機能が低下している方は肝機能障害が起こる可能性があります。
具体的な症状としては、黄疸、かゆみ、吐き気などがあります。これらの肝機能障害は重篤な副作用であり、早期発見と適切な処置が必要です。
そのため、フィンペシアを服用する際には定期的な血液検査を行い、肝機能の定期的なチェックが推奨されます。もし異常が見られた場合は、速やかに医師に相談してください。
副作用4:初期脱毛
フィンペシアを服用してしばらくすると、一時的に髪が抜けることがありますが、これは初期脱毛と呼ばれる現象です。
初期脱毛は、毛周期を正常化する過程で起こるもので、毛母細胞の機能が回復し新たな毛髪が生えそろうまでの間に古い毛髪が抜け落ちるためです。そのため、一時的に薄毛が目立つかもしれませんが、心配する必要はありません。
初期脱毛は一時的な現象であり、その後は逆に発毛効果が期待できます。初期脱毛は、治療が進むにつれて、髪の状態が改善される兆しとも言えます。
副作用5:抑うつ症状
フィナステリドを服用すると、抑うつ状態になり、気分が沈んだりネガティブな思考に陥ったりすることがあります。
この抑うつ症状はフィナステリドが脳内ホルモンのバランスに影響を与え、神経伝達物質の機能を変えるためだと考えられています。
こうした抑うつ症状は生活の質を大幅に低下させるだけでなく、最悪の場合、自殺のリスクを高める可能性も否定できません。もし抑うつ症状が現れたら、一人で悩まず、速やかに医師や専門家に相談することが大切です。
副作用6:痒みやじんましん
フィンペシアの服用によって、皮膚のかゆみやじんましんが発生することがあります。この副作用は、フィナステリドに対するアレルギー反応の可能性があります。
かゆみやじんましんの症状が軽い場合には、抗ヒスタミン薬を使用して症状を緩和することができることがあります。し
かし、症状が重い場合は、フィンペシアの服用を中止し、速やかに皮膚科医の診察を受けることが重要です。適切な診断と治療を受けることで、症状をコントロールできます。
フィンペシアの使用上の注意点
注意点1:過剰摂取しない
フィンペシアを服用する際は、定められた用量を守ることが最も重要です。服用のタイミングについて特別な指定はありませんが、胃への負担を考慮して、できるだけ食後30分以内に服用しましょう。自己判断で用量や服用回数を増やすことは絶対に避けてください。過剰摂取は副作用のリスクを高めるだけでなく、治療効果を損なう可能性もあります。1日の服用量は1mg(1錠)です。万が一、過剰に摂取した場合は、すぐに医師に相談することが大切です。
関連リンク:「フィンペシアの添付文書に記載されていることは?有効成分や副作用、服用禁忌についても解説」
注意点2:ミノキシジルとの併用に注意する
フィンペシアは毛母細胞の機能を回復させる内服薬であり、ミノキシジルは髪の成長を促進する外用薬です。
これらの薬剤は治療効果を及ぼす仕組みが異なるため、併用することで効果を最大化することが可能です。
特に、重度のAGAの治療では、両薬剤を併用することでより良い結果が期待できます。ただし、過剰な使用は副作用のリスクがあるため、治療薬を併用する際は必ず医師に相談してください。
注意点3:錠剤を割って服用することを避ける
フィンペシアは錠剤として提供されますが、その錠剤を割ったり、砕いたりして服用するのは避けるべきです。
フィンペシアはフィルムコーティングされている錠剤であり、有効成分の安定性が保たれています。錠剤を割ると、コーティングが破壊されてしまい、有効成分が劣化する可能性があります。
また、錠剤を粉末状にすると、服用量を調節するのが難しくなり、その結果過剰に摂取してしまうことが懸念される点です。そのため、錠剤は必ず割らずにそのまま服用しましょう。
注意点4:服用時にグレープフルーツジュースは避ける
フィンペシアを服用する際は、グレープフルーツジュースとの併用は避けるべきです。
グレープフルーツジュースの成分がフィナステリドの代謝を妨げ、血中濃度を上昇させる可能性があります。
血中濃度が高まると、副作用のリスクが増加するおそれがあります。薬を服用する際は、フィンペシアに限らず、水かぬるま湯で服用しましょう。
注意点5:前立腺がんの検査に注意
フィンペシアを服用することで、前立腺がんの検査結果に影響が出る可能性があります。
主成分のフィナステリドは、PSA(前立腺特異抗原)の値を低下させるため、前立腺がんを見逃す可能性があります。したがって、フィンペシアを服用している方で前立腺がん検査を受けた方は、検査結果をみてもらう際に注意してください。
専門医との相談を怠らずに、適切な検査と診断を受けることが不可欠です。
関連リンク:フィンペシアの添付文書に記載されていることは?有効成分や副作用、服用禁忌についても解説
フィンペシアを個人輸入するリスク
フィンペシアは日本では未承認のため、手に入れるには個人輸入しか方法がありません。
しかし、個人輸入にはリスクが伴うため、利用を避けることをおすすめします。ここでは、主なリスクを2つご紹介します。個人輸入が危険な理由について見ていきましょう。
リスク1:偽造品や粗悪品が送られてくるリスクがある
個人輸入では、偽造品や品質の低い商品を手に入れる危険性があります。
外見だけでは本物かどうか見分けることが難しく、実際に有効成分が入っていなかったり、有害な成分が混入していたりするリスクがあります。また、言語の問題もあり、信頼できる業者を見分けるのは容易ではありません。
リスク2:医薬品副作用被害救済制度の利用ができない
個人輸入で手に入れた薬による副作用被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。
この制度は、薬の副作用による健康被害について医療機関で治療を受けた際の費用や医療手当の支援を提供しますが、個人輸入で入手した薬による健康被害はカバーされません。
個人輸入では医師の処方や指導を受けることができないため、体調の変化を見過ごしやすく、副作用のリスクも増大します。
AGAの治療は”AGAスマクリ”
この記事で説明した通り、国内ではフィンペシアを処方してもらえません。そのため、AGA治療を希望する方は、国内で処方可能な治療薬の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
AGAスマクリでは、オンライン診療を採用しているため全国どこでもスマホを使って相談からお薬の受け取りまで可能です。
AGAスマクリで提供しているプランは、男性プランとプロペシアプランの2種類です。多くの方にご利用いただいている「男性プラン」では、ミノキシジルとフィナステリドのセットを月額4,980円(税込)で処方しています。
さらに、治療を始めやすいよう、初月無料で薄毛治療を開始いただけます。明瞭な価格設定と低価格な治療を強みとしており、診療件数は60万件を突破しました。
少しでも薄毛治療に興味がある方は、一度無料オンライン相談を予約してみてくださいね。
まとめ
フィンペシアは、薄毛の進行を抑制し、発毛を促進する医薬品ですが、肝機能障害などの重大な副作用のリスクもあります。
また、日本では未承認のため、副作用や偽薬のリスクを自分で負わなければなりません。したがって、個人輸入でのフィンペシアの使用を避け、信頼できる医療機関を受診して国内で認可されているAGA治療薬を処方してもらいましょう。
治療中は定期的な診察を受け、副作用を早期に発見し、適切に対処することが不可欠です。何よりも、医師の指導の下で治療を進めることが重要です。