AGA治療薬は、インターネット上で個人輸入という形で入手することも可能です。しかし、これにはリスクもあります。これからAGAの治療を始めていきたいと考えている方は、個人輸入の危険性や注意点についてもしっかり把握しておきましょう。
治療薬の個人輸入とは
個人輸入とは、海外で販売されているものを個人で取り寄せ購入することを指します。主に、海外の通販サイトや輸入代理店を通じて行うため、あまり「輸入」というイメージではなく通常の買い物に近い形で認識している方も多いでしょう。
治療薬の場合、商業目的であれば厚生労働省の許可・承認が必要となりますが、個人が自分自身のために購入するものについては、こうした許可等を得ずに輸入することが可能です。
AGA治療薬の中には、日本で市販されていないものもあり、市販されているものも含めて本来ならば医師の処方せんが必要です。しかし、個人輸入であれば、医師の処方せんがなくてもAGA治療薬が購入できるため、薄毛や抜け毛に悩む人の関心を集めています。
個人輸入薬の危険性
一見、個人輸入であればよりAGA治療が簡単に行えるように見えるかもしれません。しかし、実際は、治療薬の個人輸入は危険であり、おすすめしません。その理由について、解説します。
副作用への対処が難しい場合がある
どんな薬にも、副作用のリスクはあります。場合によっては、強いアレルギー反応や、アナフィナキシーショックなどによって、健康を損ねるだけでなく命に関わる問題に発展する可能性もゼロではありません。
医師が処方する薬であれば、副作用が生じた時に速やかに相談でき、適切な対処が可能です。しかし、個人輸入した薬で副作用が出た場合、その薬の内容をよく把握していない等の問題で、適切な対処が早急にできるとは限りません。
日本人の体質に合わない可能性がある
AGA治療薬は、その国のメインの人種に合わせて成分・種類・量が調整されています。プロペシアやミノキシジルなど、日本でよく聞くAGA治療薬でも、各国の基準の違いにより内容が少し変わる可能性があるのです。
つまり、日本で処方される薬は、日本人の体質に合わせたものである、ということです。逆に、海外で販売されているAGA治療薬は、日本人の体質には合わなかったり、日本では危険と判断されている成分が含まれていたりする可能性があります。
体質に合わない治療薬は、ひどい副作用を招く恐れがあり、注意が必要です。
偽物を購入してしまう可能性がある
残念ながら、個人輸入できるAGA治療薬の中には、偽物も多く出回っていると言われています。パッケージや薬の形が似ていれば、素人ではその内容まで見極めることができません。
偽物の薬を飲んだことで、薄毛がさらに進行してしまったという話はよく聞きます。お金を支払った意味がないどころか、さらに悪化してしまったり、重篤な健康被害を被ったりする危険性が潜んでいます。安心して使用できる治療薬を処方してもらいましょう。
パッケージや説明文が外国語で理解しにくい
海外から輸入するAGA治療薬は、当然ながら日本人向けに販売されているものではないため、すべて外国語表記となっています。用法や用量、注意点など、重要な部分についても外国語を和訳して理解する必要があり、正しく理解できない場合は誤った使い方をしてしまう可能性があるでしょう。
外国語がある程度読める方でも、医療用語は日常会話で用いる機会が少ないため、きちんと理解できないかもしれません。詳細が把握できていない薬を自分の判断で使用するのは、とても危険です。
AGA治療薬の価格相場
AGA治療薬を個人輸入すると、リーズナブルであるという情報を聞いたことがある方もいるでしょう。しかし実際は、その価格差はさほど大きくなく、先ほどご紹介したリスクを考慮するとお得とは言えないのではないでしょうか。一般的なAGAの治療薬の相場について、クリニックで購入する場合と個人輸入で購入する場合とを比較してみましょう。
内服薬の種類 | 医療機関での処方(1ヶ月分) | 個人輸入で購入(1ヶ月分) |
プロペシア | 5,000~8,000円程度 | 5,000円程度 |
フィナステリド | 4,000~7,000円程度 | 3,000円程度 |
ザガーロ | 9,000~12,000円程度 | 10,000円程度 |
ミノキシジル | 約10,000円前後 | 4,000円程度 |
AGA治療は専門のクリニックを受診した方が良い
医師が処方する薬は、患者様の状態をよくカウンセリング・診察し、安全性の高い薬を選ぶこともあり、副作用のリスクは低くなっています。
AGAに関する専門的な知識・経験を持つクリニックなら、人それぞれの薄毛・抜け毛の状態に応じた適切な治療方針を提案してもらうことができます。AGA治療は、投薬ばかりではありません。髪の毛や頭皮の健康を保つために、どのようなことに注意すれば良いのかも含めて相談することができます。
また、治療の経過を見ながら薬を減らしたり、治療の方法を変えたりすることも可能です。AGAは進行性のものですので、長期的に見ても専門クリニックにかかるメリットは大きいでしょう。
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まとめ
AGA治療薬は、クリニック等を受診しなくても個人輸入で入手することは可能です。しかし、副作用が起こった時のリスクや、偽物を購入しても分からないといった危険性を考えると、きちんと専門医の診察を受けて状態や体質に合う治療薬を処方してもらう方がメリットは大きいでしょう。初めての受診で戸惑うこともあるかもしれませんが、個人輸入の危険性をよく把握し、安全に治療をすすめていくことをおすすめします。