薄毛は、ストレスや頭皮環境の乱れ、ホルモンバランスの崩れなど、さまざまな原因で起こる症状です。育毛剤は、頭皮環境を整え、血行を促進することで、髪の成長をサポートし、薄毛の改善を目指します。
この記事では、育毛剤の効果や成分、選び方など、薄毛対策に役立つ情報を詳しく解説します。また、育毛剤と発毛剤の違いや、頭皮環境を整えるための具体的な方法などもご紹介します。薄毛でお悩みの方はぜひご覧ください。
そもそも育毛剤とは?
育毛剤は、頭皮を清潔に保ち、血行促進や保湿効果によって髪が育ちやすい頭皮環境に整える外用薬です。抜け毛を予防し、元気でハリのある髪を育てる効果が期待できます。
厚生労働省が、唯一発毛成分として承認しているミノキシジルは配合されていないため、新たな髪を生やす効果はありませんが、発毛を助ける有効成分が配合されている育毛剤もあります。
発毛剤と比べて人体への影響が比較的穏やかで、気軽に使用することができます。
育毛剤と発毛剤の違い
生えている髪を、より太く健康的に育てる目的で使用される育毛剤は「医薬部外品」に分類されており、ドラッグストアやスーパー、ネット通販で手軽に購入することができます。一方、脱毛している部位に新しい毛髪を育てる効果が期待できる発毛剤は、科学的に発毛効果が認められたミノキシジルを含有するものが多く、「医薬品」に分類されており、購入には医師の処方や薬剤師の指導が必要です。
リンク:育毛剤と発毛剤の違いとは?併用できる?成分や効果、副作用を徹底解説
育毛剤の効果とは?
育毛剤に期待できる代表的な効果は以下の通りです。
- 頭皮環境の改善
- 髪の成長促進
- 抜け毛予防
それぞれについて詳しくご説明します。
育毛剤の効果① 頭皮環境の改善
健やかな髪を育てるには、過剰な皮脂や毛穴のつまりを取り除き、清潔で健康的な頭皮を維持することが大切です。多くの育毛剤には、過剰な皮脂分泌を抑制するビタミンCやドクダミエキス、さらに殺菌作用や抗炎症作用があるグリチルリチン酸ジカリウムなどが配合されています。また、女性用の育毛剤には、コラーゲンやヒアルロン酸などの保湿成分を配合し、頭皮の乾燥を防ぐものもあります。
育毛剤の効果② 髪の成長促進
多くの育毛剤には、毛母細胞の活性化が期待できる「アデノシン」や「D-パントテニルアルコール」などが含まれています。加えて、血行を促進し毛根へ栄養を届けやすくする「ナイアシンアミド」や「アルギニン」などの成分も配合されており、太く健康的な髪の成長をサポートします。
育毛剤の効果③ 抜け毛予防
育毛剤の効果①、②で説明した頭皮環境の改善や血行促進は、抜け毛予防にも有効です。さらに、抜け毛の原因とされる5α-リダクターゼ酵素の働きを抑制するといわれているオレアノール酸や、髪を健やかに保つ効果が期待できるビオチンを配合した育毛剤もあります。
育毛剤に含まれる育毛に効果的な成分
育毛剤には、頭皮環境を整えたり、健康的な髪を維持するための多くの成分が配合されています。自分の症状に合った成分を知り、それらが配合された育毛剤を選ぶことで、より効率的な薄毛対策を目指しましょう。
では、それぞれの成分の特徴をご紹介します。
【ミノキシジル】
ミノキシジルは、厚生労働省に発毛成分として承認され、第一類医薬品に分類される発毛剤に配合されています。医薬部外品の育毛剤には配合されていません。
もともとは高血圧症の治療薬として開発されましたが、臨床試験で体毛が濃くなる現象が見られたため、薄毛治療用に転用されました。髪を作る毛母細胞の分裂を促進し、発毛を促します。さらに、頭皮の血流を改善し、栄養や酸素を行き渡らせる効果が期待されています。AGA専門クリニックや皮膚科などで処方を受けることができます。
【フィナステリド】
フィナステリドは、医療用医薬品のAGA(男性型脱毛症)治療薬に使われている有効成分で、「プロペシア」や「フィナステリド錠」などの治療薬に配合されています。AGAの原因となる5αリダクターゼの働きを阻害することで、育毛促進が期待できます。ミノキシジル同様に、AGA専門クリニックや皮膚科などで処方される薬です。
【亜鉛】
必須ミネラルのひとつである亜鉛は、髪の主成分であるケラチンの合成に不可欠な栄養素です。また、細胞分裂を促す働きがあり、毛母細胞の分裂をサポートして髪の成長を促す効果が期待できます。さらに、亜鉛には5αリダクターゼの働きを抑制する効果がありますが、フィナステリドなどに代表されるAGA治療薬ほどの効果は期待できません。
過剰摂取により体に悪影響を及ぼす可能性もありますので、必要以上の摂取は控えましょう。
【アロエエキス】
アロエエキスには、抗炎症作用や抗菌作用、血行促進、保湿効果など、肌を健やかに保つ効果があり、頭皮環境を整えて育毛をサポートする働きが期待できます。
アロエの外皮に含まれるアロインという成分は、直接頭皮に塗布することで5αリダクターゼの阻害作用があるといわれていますが、現時点では実証されていません。
アロインは刺激性が強くかぶれる可能性があるため、育毛製品では適切に処理された成分が使用されています。
【イソフラボン】
イソフラボンは大豆製品に豊富に含まれる成分で、5αリダクターゼの働きを抑制する効果があるとされています。さらに、抗酸化作用や血行促進効果により頭皮環境の改善を助け、健康的な髪の成長をサポートします。またイソフラボンは、体内で女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするため、女性ホルモンの減少による薄毛の改善も期待されています。
ただし、イソフラボンの過剰摂取により、女性ホルモンのバランスが崩れ、体調に悪影響を及ぼす可能性がありますので注意が必要です。
【イチョウ葉エキス】
イチョウ葉エキスは、頭皮の血行を促進する植物由来の成分で、多くの育毛剤に配合されています。血管拡張作用により、毛細血管の血流を改善し、毛根に栄養や酸素を送る役割を果たします。さらに、イチョウ葉エキスに含まれるフラボノイド成分が、その抗酸化作用で頭皮の酸化を防ぎ、頭皮環境を整えてくれます。
まれにアレルギー反応が起きる可能性がありますので、かゆみなどの症状が現れた場合は使用を中止し、医療機関を受診しましょう。
【L-リジン】
リジンは、体内で作り出すことができない必須アミノ酸のひとつで、髪の主成分であるケラチンの合成に必要な栄養素です。また、亜鉛の吸収を助ける働きがあり、亜鉛を含む育毛剤と組み合わせることで、より効果的に髪の成長をサポートできます。さらに、リジンには血管拡張作用があり、血流を改善するミノキシジルと併用することで、ミノキシジルの効果をより高める働きも期待できます。
サプリメントなどで経口摂取する場合は、過剰摂取に注意が必要です。めまいや吐き気、胃痛などの症状は、リジンの過剰摂取による副作用の可能性があります。
【オウゴンエキス】
オウゴンエキスは、漢方でもよく知られる生薬由来の成分です。黄金花(コガネバナ)の根から抽出される植物エキスで、解熱、消炎、解毒作用などの効能があります。育毛剤としては、抗炎症作用や抗酸化作用の効果で頭皮を炎症や酸化から守り、健康的な髪を育てる環境を整えます。また、血行促進効果もあり、毛根に栄養を届けやすくする働きがあります。
外用薬としての使用では副作用の心配はほとんどありませんが、漢方薬として服用する場合には、発疹やかゆみ、食欲不振、嘔吐、下痢などの副作用が報告されています。症状が現れた場合は、医療機関を受診しましょう。
【オランダカラシ】
オランダカラシはクレソンとも呼ばれ、ピリッとした辛みが特徴の野菜です。この辛み成分が頭皮を刺激して血行を促します。また、皮膚細胞活性作用、抗炎症作用、保湿作用、抗菌作用など、皮膚によい効果がたくさんあり、多くの育毛剤や化粧品、ヘアケア製品に配合されています。
外用薬としての使用では、特に大きな副作用は報告されていません。
【カプサイシン】
カプサイシンは唐辛子に含まれる辛味成分です。発汗を促し、血流を改善するダイエットサプリの成分として良く知られています。頭皮の血行を良くすることで、頭皮環境の改善が期待できます。さらに、カプサイシンには、毛髪の成長に大きくかかわるインスリン様成長因子(IGF-1)というアミノ酸の働きを促し、毛髪の成長をサポートする効果が期待されています。
カプサイシンを直接肌に塗布すると強い刺激を感じることがありますが、育毛剤には適量が配合されているため、副作用の心配はほとんどありません。
【クエン酸】
クエン酸は、レモンや梅干しなどに含まれる酸味の成分です。飲料やサプリメントで摂取するクエン酸には、疲労回復や消化促進の効果が期待できます。
育毛剤に配合されるクエン酸には、頭皮の洗浄作用や保湿効果があります。頭皮に付着した汚れや余分な皮脂を優しく除去し、毛穴の詰まりを防ぎます。また、頭皮のpHバランスを整える働きがあり、健康的な頭皮環境づくりをサポートします。さらに、血行促進や抗酸化作用も期待できます。
クエン酸による重篤な副作用は報告されていませんが、経口摂取した場合、体質や体調によっては、アレルギー反応による下痢や胃痛などの症状が現れる可能性があります。
育毛剤の効果はいつから出る?
育毛剤には即効性がなく、毎日継続して使用する必要があります。個人差がありますが、一般的に効果が感じられるのは、使用開始から3カ月〜半年ほど経過したころと言われており、これは、髪が生えてから抜けるまでのヘアサイクルが大きく関係しています。
ヘアサイクルが関係している
髪は、1カ月に約1cmほど成長し、一定期間を過ぎると自然に脱毛します。そこからまた新たな髪が生え、脱毛までの間成長を続けます。この成長から脱毛までの周期をヘアサイクルと呼びます。ヘアサイクルには「成長期(髪が成長する期間/約4~6年)」「退行期(成長が鈍化する時期/約2~3週間)」「休止期(成長が止まり脱毛する時期/数カ月)」があり、髪1本ごとにヘアサイクルの時期が異なるため、一度に抜け落ちることなく順番に入れ替わっていきます。
育毛剤の効果を実感するまでに時間がかかる理由のひとつに、このヘアサイクルがあります。退行期や休止期の毛根から新たな髪が生え、効果が実感できるほど成長するには、早くても3カ月程度の期間が必要になります。
個人差があるため継続して使用する
育毛剤の効果には大きな個人差があります。年齢や生活習慣、脱毛の原因、髪の状態などによって、効果の現れ方や実感できるまでの期間が異なってきます。途中で効果を実感できなくても、最低でも半年は継続使用することをおすすめします。
育毛剤の効果を高めるには?使用する際の注意点
育毛剤は、正しい使用方法を守ることが大切です。ここでは、育毛剤の効果を最大限に引き出すためのポイントをご紹介します。日々の習慣に取り入れることで、より効果的な育毛ケアが期待できるでしょう。
清潔な頭皮に使用する
育毛剤を使用する前には、頭皮の汚れや皮脂をしっかりと洗い流し、清潔な状態に整えることが大切です。汗や皮脂、スタイリング剤などが頭皮に残っていると、育毛剤の有効成分が十分に浸透せず、効果が薄れてしまう可能性があります。入浴後やシャンプー後の清潔な頭皮に使用することで、成分の吸収が高まり、効果をより実感しやすくなります。
正しい使用量を守る
育毛剤の使用量が少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎると頭皮に負担がかかる可能性があるため、製品の説明書に記載された使用量を守りましょう。育毛剤によって、1日の使用回数や量などが異なりますので、使用前に必ず説明書を確認してください。
頭皮マッサージ
育毛剤を塗布した後、指の腹で優しく円を描くようにマッサージすることで、有効成分が頭皮に浸透しやすくなり、より効果を高めることができます。また、血行促進効果も期待できます。
マッサージは、頭皮を傷つけないように、優しく指の腹で揉み込むように行いましょう。
育毛剤の効果に関するよくある質問
育毛剤の使用を検討している方の疑問にお答えします。
育毛剤で髪の毛は生えますか?
育毛剤には、科学的に発毛効果が実証されている成分は含まれていません。育毛剤の使用目的は、健康的な髪が育ちやすい環境を整えることにあります。抜け毛を予防し、髪1本1本を太く長くすることで薄毛の改善が期待できます。
AGAやFAGAの改善には、専門医の診察や薬剤師の指導のもと、発毛剤の使用が効果的です。
育毛剤に副作用はありますか?
頭皮に塗布するタイプの育毛剤の副作用には、かゆみ、かぶれ、発赤、湿疹、ふけなどがあります。頭皮環境の悪化は脱毛の原因となる可能性があるため、副作用が確認された場合は使用を中止し、専門のクリニックや皮膚科を受診することをおすすめします。
なお、副作用の症状は人によって異なります。まれにアレルギー反応による動悸やめまいなどの症状が現れることもあるため、注意が必要です。
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AGAスマクリは、毎月定額で治療を続けることができるAGA専門クリニックです。
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まとめ
育毛剤は、頭皮環境を整え髪の成長をサポートすることで、薄毛の改善に役立ちます。製品によってさまざまな有効成分が配合されていますので、自身の薄毛の原因に合わせたケアアイテムを選ぶことができます。
効果を実感するためには、正しい使用方法を守り、根気強く続けることが大切です。抜け毛が気になる場合は、まずは専門医に相談し、自分に合った育毛方法を見つけることをおすすめします。