薄毛の悩みを抱え、日常生活において精神的な苦痛を感じている方が年齢問わず多くいらっしゃいます。
そんな方々にとって気になるのは「自分の症状を改善する方法があるかどうか」ですよね。
特に男性型脱毛症(AGA)に関して多数の広告やネット上の宣伝記事がありますが、信ぴょう性に疑問を感じてしまいがち。
自分の症状に合った具体的な治療法があるのか、また今の最新の薄毛治療にはどういったものがあるのか気になっている方も多いでしょう。
そこで本記事ではまず最初に薄毛の治療について以下の3つの項目に沿ってご紹介します。
- 内服薬と外用薬による治療薬
- 植毛や注入治療
- 習慣的なヘアケア
また、一般的に病院の治療の中でもその規模の大小によって治療の内容に違いがあります。
そのため次に大手と個人病院の違いについても説明しています。
これらの基本情報を押さえた上で最近注目を集めている最新治療の動向について説明します。
そして最後に薄毛の早期発見の重要性と当院での薄毛治療に関する目安費用を記載しています。
是非最後までお読みになり、自分に合った薄毛対策やQOLの向上ために参考にして頂けると幸いです。
監修医師
成田亜希子 医師
成田亜希子医師は日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。一般内科医として幅広い疾患の診療に向き合った後、医療系行政機関にて勤務をし、病院や診療所への行政審査、行政指導、介護行政、母子保健、精神福祉等を担当。
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内服薬と外用薬による治療薬
それではまず最初に最も一般的で広く行われている投薬治療について解説します。
AGAを引き起こすメカニズムについては実は2021年現在でも完全に解明されている訳ではありません。
しかしこれまでの多くの研究の結果、次第に要因と対策も明らかになってきており、AGAの進行を遅らせたり、発毛を促進する効果のある治療薬も出てきました。
AGAは男性ホルモンの一つであるテストステロンと、特定の酵素の働きによって生成されるジヒドロテストステロンというホルモンが引き起こすヘアサイクルの短縮によって引き起こされるといわれています。
髪の毛が生え変わるヘアサイクルは通常、「成長期」「退行期」「休止期」の3つのフェーズからなり、数年単位で繰り返されます。
しかしAGAの場合には上述のジヒドロテストステロンの働きによって、ヘアサイクルにおける「成長期」の期間が大きく短縮されてしまいます。その結果、十分な毛の育成ができず次第に薄毛の症状が進行してしまうのです。
フィナステリド内服薬
フィナステリド内服薬は髪の毛の成長期を短縮させる要因となる、ジヒドロテストステロンの生成を阻害する効果を持ちます。
この作用によりAGAの進行を遅らせる効果が期待できます。
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ミノキシジル内服薬・外用薬
一方で薄毛の症状が既にある程度進んでしまっている場合には進行を抑制するだけでは根本的な解決になりません。
そこで発毛効果の期待できる「ミノキシジル内服薬」がよく用いられています。
ミノキシジルは元々高血圧患者向けに開発された薬ですが、毛の育成を促進する作用が見られたことでその後広く育毛目的で利用されてきました。
ミノキシジルは髪の毛の基となる毛母細胞を活性化させ、細胞分裂を促す働きがあります。
さらに血管を拡張して血流を良くする効果を持つため、髪の成長に必要な栄養素を取り入れやすくなります。
その結果髪の毛の成長をサポートすることにつながり、より太く長い髪の毛をつくります。
ミノキシジルには外用薬と内服薬がありますが、広く使われているのは外用薬です。ミノキシジルは元々高血圧患者用治療薬として認可されたものであり、薄毛対策用として国内で正式に承認を受けているものではありません。
内服薬は効果も高い分、外用薬に比べて副作用のリスクが高いため、豊富な医学的知識を持った専門医師の診断と処方のもと使用する必要があります。
いずれの薬であっても自分の症状と原因、進行度合に合っているかが最も重要です。
自分に合った適切な投薬治療を実施するためには個人判断ではなく専門の医師による診断と処方が必須です。
そして薬には必ず副作用が存在します。しっかりとリスクを理解し、納得した上で治療を始めることが重要です。
植毛や注入治療
次に植毛と注入治療の2つの治療法について説明します。
植毛
薄毛部分を目立たなくする方法として生えている部分の毛を薄い部分に移植する植毛があります。
男性ホルモンの影響を受けにくい部分の頭皮から毛根の部分をそのまま薄毛の部分に一本ずつ移植します。
そのため全体的に自然な髪の生え方に見えるように調整することが可能です。
自分の細胞を移植するためアレルギー反応の心配はなく、移植後も安定してヘアサイクルが機能します。
一方で髪の総数には限りがあるため移植可能な本数にも限りがあります。
また移植後着実に定着するように移植する際の髪の間隔もある程度離さなければならず、一度に移植できる本数は限定的です。
着実に薄毛部分を目立たなくできますが、施術時間や工数がかかるため投薬よりも費用は一般的に高額になります。
注入治療
注入治療は髪が薄くなった頭皮部分に直接髪の成長因子を注入することで発毛を促進させたり脱毛を抑制する治療法です。
内服薬や外用薬と比べてより着実に目的の場所まで成分を届けることができるため高い効果が期待できますが、費用は内服薬や外用薬に比べ高額です。
前述の投薬治療と注入療法を併用する病院もあります。
習慣的なヘアケア
最も手軽に始められる薄毛対策は毎日の習慣的なヘアケアでしょう。上述のように髪は一定のサイクルで生え変わります。
髪の毛の成長のためには良い育毛環境を整えることも重要です。
- シャンプーやコンディショナーを育毛に最適なものに変える
- 髪の成長に必要な栄養素を摂取する
- 皮脂の分泌を過剰にする脂っぽいものはあまり摂取しない
- 強いストレスを避けるなど頭皮や体のコンディションに注意を払ってケアする
これらの習慣的なヘアケアも大切な薄毛対策です。
しかし自分の薄毛の原因が分からないまま独自に対策をしても的外れに終わることもあります。
あくまで生活習慣や髪に必要な栄養素を摂取するなど対策としては限定的です。
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大手病院と個人病院の違い
それでは実際に医師に相談しようと考えたとき、自分はどの病院に行くべきか悩まれる方もいるでしょう。ここでは大手病院と個人病院の違いについて説明します。
大手病院
複数の診療科を持つ大きな病院を受診するメリットは検査設備の豊富さや横断的な診療が可能な点です。
一般的に薄毛の場合は皮膚科もしくは内科で対応することが多いです。
AGAに特化した外来は少ないため、病院によっては症例が少ないところもあります。
そのため一般的な皮膚疾患や内科系の異常の観点で診察されることになり、薄毛に効果的な投薬などができないこともあります。
個人病院
個人病院のメリットはAGAや薄毛の専門知識を持った専門医が多く、また同じ症状を持つ患者数も多いため、一人一人の症状にあった診断と治療を受けることができる点です。
また薄毛の悩みを持つ患者さんのプライバシーに配慮して病院運営をしているところも多く、安心して受診できます。
一方で他の疾患による脱毛が疑われるなど病院での対応が困難な場合は大規模病院の受診が改めて必要になることがあります。
最新の薄毛治療情報
ここまで今現在行われている薄毛治療について説明してきましたが、最近日本の理化学研究所で行われている再生医療に関する研究成果が薄毛治療に新たな道を開く可能性があるとして注目を集めています。
頭皮に存在する器官である「毛包」は中にある毛母細胞や毛乳頭に髪の毛を産生させる働きがありますが、毛包はヘアサイクル毎に髪の毛や毛根とともに失われることはなく何度も繰り返し髪の毛を作り出します。
理化学研究所のチームはこの何度も髪の毛を作り出す毛包を正常に機能している頭皮の部分から採取して培養し、それを薄毛になった部位に移植することで密度の濃いふさふさの髪の毛を生やすことに成功しました。
その後の研究において移植する細胞は自分の細胞である必要はなく、iPS細胞からも作り出せることが分かっています。
実用化まではまだコスト面などいくつか課題がありますが、近い将来にはコスト低減が実現する見込みでありこれまでの投薬治療に新たな選択肢として加わる予定です。
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薄毛治療は早期発見が大切
AGAによる薄毛は早期に発見し、早期に治療を開始することが何よりも大切です。
本記事で説明したようにAGAの治療の基本は投薬により男性ホルモンによる毛の成長期の短縮を抑制することで成長を阻害する要因を抑えることができます。
まだ症状の進行が初期段階であれば薄毛になるスピードを遅くすることで見た目の変化を最小限に抑えることができます。
しかし症状がある程度進行してしまい、既に多くの髪の毛のサイクルにおいて成長期が短縮されてしまっている場合には投薬する薬の量も増え、コストも上昇します。
さらに投薬治療を始めても理想のレベルまで毛量を確保することが難しいという状態にもなりかねません。
もし最近髪の毛が薄くなってきたと少しでも感じたら医師へ相談することをお勧めします。
AGAは20代の若い年代でも発症するケースが認められているので若いから大丈夫と過信せずに気になったらまずは診断を受けましょう。
AGAスマクリでの薄毛治療費用
まとめ
本記事ではAGA治療の具体的な内容と最新治療に関する情報、及び当院で治療を受ける場合の費用について説明しました。
薄毛治療の最も重要なことは早期発見と早期治療の開始です。食生活やストレスなど日常生活に注意することは大切ですが、AGAの場合にはシャンプーや市販の医薬品を用いた自分なりの対策で効果を上げることはなかなか難しいのが現状です。
またかなり症状が進行した患者様にとって夢のある新たな再生医療による治療が実用化されるまではまだ少し時間がかかります。
また実用化されても投薬治療に比べると価格は高価でしょう。治療費の観点を考慮しても早期の治療開始が望まれます。
本記事のに内容を参考に、AGAかもしれないと思った方はまずは医師に相談してみてください。
そしてもしAGAであった場合には少しでも早く治療を開始し、自信を持って日々生活できるように自分に合った対策を見つけてください。