スポーツ選手が大きな大会に出る際、必ずドーピング検査を受けるというのはもはや誰でも知っている常識だと思いますが、発毛剤がドーピング検査で引っかかることがあるのはご存知でしたか?
実はプロペシアなど内用薬の主成分であるフィナステリドが禁止薬物に指定されていたことがあるんです。
なかなか興味深い話なので、ちょっと詳しく解説してみましょう。
監修医師
成田亜希子 医師
成田亜希子医師は日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。一般内科医として幅広い疾患の診療に向き合った後、医療系行政機関にて勤務をし、病院や診療所への行政審査、行政指導、介護行政、母子保健、精神福祉等を担当。
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発毛剤がドーピングになるって本当?
発毛剤がドーピングになるという話は聞いたことがありますか?
実は、発毛剤であるプロペシアの主成分であるフィナステリドや、髪の毛以外の体毛を濃くするのに使われるメチルテストステロンは、 ドーピングにひっかかってしまうことがあります。
ドーピング目的でなくとも、 風邪薬などを使用するとドーピングになってしまうことがあるのは有名ですよね。
まさかスポーツ選手は発毛剤の使用もできないということなのでしょうか。
本記事では発毛剤とドーピングについてまとめました!
実際にフィナステリドがドーピングになっていた!
発毛剤がドーピングになる… 知らなかった人にとっては驚きの事実なのではないでしょうか。
2005年、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)は、発毛剤で有名なプロペシアの有効成分であるフィナステリドを 禁止リストに入れました。
フィナステリドには、ドーピング剤にありがちな筋肉増強効果はありません。
ただし、マスキング効果や利尿効果があるので、 筋肉増強剤を使用した痕跡を隠してしまうのです。
つまり、フィナステリドを使用することで ドーピングをしたことを隠すことができるんですね。
だから禁止になったのです。
このフィナステリド、実際に陽性反応が出て処分を受けた選手が何人かいるんです。
▼プロペシアの作用機序はこちら▼
そもそもドーピングってなんでダメなの?
ドーピングが禁止されているのは誰でも知っていると思いますが、その理由についてはご存知ですか?
意外に知られていないような気がするので、ここでちゃんと学習しておきましょう。
フェアプレーでない
スポーツにおいてはルールが厳密に決められており、常にフェアプレーの精神が求められます。
ドーピングをして競技能力を高める行為は、ドーピングをしていない人に対して不公平になります。
禁止なものは禁止。
そのルールを守った上での勝負ですよね。 ルール違反をしていては勝負にすらなりません。
薬による副作用
ドーピングは薬によるものが一般的ですが、そもそも薬は病気や怪我の治療に使われるもの。
ドーピング目的で使用される場合は、治療よりも大量に投与されることになります。
薬には副作用があるので、大量に投与されることで選手の健康を害することに。
長く後遺症に悩まされたりする可能性がある、危険なものなのです。
反社会的行為である
スポーツ選手はみんなの憧れの存在でもあります。
そんな彼らがドーピングをしていたことが分かるとどうでしょうか。
知っている選手がドーピングしていたということを知って ショックを受けた経験、皆さんにも一度や二度はあるのではないでしょうか。
「スポーツ選手になるためにはドーピングが必要なのか」 「あれだけ活躍する人はドーピングをしても良い」 などと思われても仕方がありませんよね。
特にプロスポーツ選手は世間に与える影響が大きいもの。
尊敬していた選手がドーピングで失格になれば、 スポーツそのものに興味を失う子どもが出てしまう可能性もありますよね。
やはりスポーツでドーピングなどというズルは禁物ですよね。
でも、ハゲ対策に発毛剤を発毛剤として使用してドーピング検査に陽性反応が出てしまったら、ちょっと気の毒かも…。
ここからは、実際に発毛剤でドーピング検査に陽性反応が出た事例を3例ご紹介いたします。
⑴プロ野球リック・ガトームソン選手の場合
リック・ガームトン選手は、アメリカ生まれの元プロ野球選手。
日本のプロ野球では、ヤクルト、ソフトバンクで活躍しました。
そんなガームトン選手のドーピング事件は2007年に起こりました。
当時ソフトバンクに所属していたガトームソン選手は、 ある日に行われたドーピング検査において、禁止薬物であるフィナステリドに陽性反応が出たのです。
これによって、選手は20日間の出場停止処分を受けました。
ちなみに、日本プロ野球のドーピング検査が本格的に開始されたのは、この2007年。
ドーピング違反者が出た初めての事例でした。
球団の説明によると、 選手は同年2月にフィナステリドを含む発毛剤の服用を申請したものの、 球団がNPB側への照会を怠ったのが原因で服用を続けたそうです。
それが本当なら気の毒な話かもしれませんね…。
⑵元ブラジル代表FWロマーリオ選手の場合
今は政治家になってしまいましたが、1980年代後半から90年代にかけて大活躍していた、サッカー元ブラジル代表のロマーリオ選手。
彼も2007年にドーピング検査で陽性反応が出ました。
やはり使用していた発毛剤にフィナステリドが含まれていたそうです。
記者会見に臨んだロマーリオ選手は、 「髪の毛が薄くなってきたので評判のいい発毛剤を使っていた。
効果は抜群。
ドーピングのつもりはないし、パフォーマンスには何の影響も出ていないので、これで選手生命が終わるとは思わない」 と楽観的なコメントをしました。
さすがブラジル、ラテン系ですね。
しかし、非情にも120日間の出場停止処分になりました…。
⑶ラグビー日本代表候補山中亮平選手の場合
ラグビーの山中亮平選手は今も神戸製鋼で活躍しているので、ご存知の方も多いと思います。
そんな彼が日本代表候補時代の2011年、合宿中の抜き打ちドーピング検査で陽性反応が出ました。
検査で検出された該当物質は、「メチルテストステロンまたはメタンドリオールの代謝物」という摂取するとドーピングコントロールしているとみなされるものだそうです。
その結果、2年間の資格停止処分になりました。
どうやらヒゲの発毛のために使っていた塗り薬(そんなのあるんですね!)にメチルテストステロンが含まれていたようです。本人は「ドーピング目的ではない」と釈明したそうですが、情状酌量はしてもらえませんでした。
スポーツ選手にとって2年間というのは長いですよね。
しかも一番いい時期に…。
人前に出る仕事ですからオシャレも大切ですが、ずいぶん手痛い代償でした。
なぜ発毛剤の中でもフィナステリドはダメだったのか?
フィナステリドの使用はドーピングになってしまう、ということが実際の事例でよくわかりましたね。
でも、発毛剤の中でも、なぜフィナステリドが禁止薬物指定されていたのでしょうか?
フィナステリドが示す二つの特徴から具体的に説明します!
⑴テストステロンからDHTが生成されるのを阻害する
筋肉増強剤にはアナボリックステロイドがよく使われます。
その一部は、男性ホルモン「テストステロン」を「5αリダクターゼ還元酵素」によって還元することによってDHT(ジヒドロテストステロン)を作り出すことがあります。
DHTとは二次性徴に関わるホルモンで、声変わりを促したり、体毛を増やしたり、陰茎の成長に関わったり…といわゆる「男らしさ」を作り出す物質です。
フィナステリドには5αリダクターゼ還元酵素の働きを阻害する効果があり、DHTの生成を防ぎます。
つまりアナボリックステロイドの痕跡を消してしまう訳です。
って、ちょっと理屈っぽくて分かりづらい説明ですかね?
要するにドーピング検査の時にDHTが出ないようにして陰性反応にしてしまうということです。
▼DHTの抑制方法について詳しくはこちら▼
⑵利尿効果がある
フィナステリドは、世界アンチ・ドーピング機構では「利尿剤およびその他の隠蔽物質」のカテゴリーに禁止薬物リストとして分類されています。
つまり筋肉増強剤をさっさとおしっこに出して痕跡を消してしまうという訳です。
ただ、発毛剤を利尿目的で使おうと思うような悪知恵のある人はあまりいないような気もしますが。
普通は素直に利尿剤を買いますよね。
現在は禁止薬物リストよりフィナステリドは除外されている
しかし、WADAは検査技術の向上によって「5αリダクターゼ還元酵素によるステロイド投与のマスキングが意味をなくした」として2009年1月1日からフィナステリドを禁止薬物リストから除外しました。
技術の進歩って凄いですね。
きっと発毛剤使用者からの熱烈なアピールもあったと思いますが。
たった4年でフィナステリドを使用していてもドーピングを判別することが可能になったことで、スポーツ選手も安心して発毛剤を使うことが出来るようになりました。
めでたしめでたし。
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フィナステリド以外にも注意が必要です
前述のようにフィナステリドは現在禁止指定リストから外されましたが…。
ラグビー山中選手の例でも分かったように、 体毛を濃くするために使われるメチルテストステロンやメタンドリオールといった男性化ステロイドは今も禁止されているので注意しましょう。
それ以前に男性化ステロイドは頭髪にはむしろマイナスに働きますので、 薄毛に悩んでいる人は使わないようにしましょう。