漢方でも抜け毛対策ができるのをご存じですか？
ではいったいどんな薬が、抜け毛対策に効果を期待できるのでしょうか？
この記事では、抜け毛対策に推奨する漢方を紹介します。
対策の1つとして、チェックしてみてくださいね。
監修医師 成田亜希子 医師 成田亜希子医師は日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。一般内科医として幅広い疾患の診療に向き合った後、医療系行政機関にて勤務をし、病院や診療所への行政審査、行政指導、介護行政、母子保健、精神福祉等を担当。
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漢方で抜け毛が対策できる!?
抜け毛の原因といえば、男性ホルモンの過剰分泌によるAGA（男性型脱毛症）が有名ですよね。
確かに抜け毛や薄毛はAGAからくるものが多いのですが、その他には食習慣の乱れやストレス、睡眠、たばこなどなど、様々な要因が関わっていると言われています。
漢方では、抜け毛の原因を血の不足・気の不足・腎機能低下という３つに分類して、それぞれの原因に対応した漢方薬をご紹介します。
一般的な発毛剤・育毛剤とは異なり、個人の体質の違いによって薬も変わります。
信頼できる漢方医にきちんと見立てをしてもらい、自分に合ったものを選ぶ必要があります。
▼AGAの原因について詳しくはこちら▼
漢方では抜け毛の原因をどうとらえる？
抜け毛を改善するための漢方ですが、抜け毛に対する原因の捉え方が西洋医学とは異なります。
漢方では抜け毛の原因は、何だと言われているでしょうか？
①抜け毛の原因１：血虚
『血虚』とは、血が不足している状態のことです。
昔から血と髪の関係性は深く、「髪は血の余りでできている」とされてきました。
血流が悪いと、髪に栄養が行き渡りにくくなり、結果的に髪が抜けやすくなるという事です。
したがって、血虚が原因と思われる抜け毛には血を補う働きをする漢方が適していますよ。
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②抜け毛の原因２：気虚
脱毛は加齢だけが原因ではありません。
現代人はストレスが原因で抜け毛になる方の割合が多く、20代から抜け毛に悩む方もいます。
漢方では、ストレスを受け続けると、交感神経が優位になり血行が悪くなる事で生命エネルギーである「気」が不足した「気虚」の状態になると言われています。
抜け毛を気にすると更にストレスを受けてしまい、悪循環に陥ってします事もあります。
ストレスにより気虚の状態の方には、気の不足を補う作用のある漢方が適していますよ。
③抜け毛の原因３：腎の低下
漢方では、抜け毛は『腎』が機能低下した場合に生じるともされています。
ここで言う『腎』は、腎臓のことではなく生殖・成長・老化を司る機能のことを指します。
この腎の機能は、人間本来の生命力や免疫力、自然治癒力などが関わっています。
腎機能が低下すると、抜け毛や白髪といった老化現象が起こると言われており、このような場合は腎の働きを補う漢方薬が適していますよ。
抜け毛対策におすすめな漢方6選！
漢方で抜け毛の原因とされる、血虚・気虚・腎の低下に適した漢方薬には様々な種類があります。
この記事では代表的なものを6種類紹介しますね。
①当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）
当帰芍薬散は、冷え性で血流が悪い方によく処方される漢方です。
体を温め、血行を良くする効果があるとされています。
血行が良くなれば必然的に頭皮の血流も改善するので、栄養が行き届くという訳です。
こういう人におすすめ
⑴血行が悪い方
⑵身体の冷えに悩んでいる方
②十全大補湯（じゅうぜんたいほとう）
十全大補丸は、冷え性・貧血・疲労により身体が弱っている時に、気力体力を補うことで体に活気を取り戻す効果があるとされています。
血虚・気虚どちらにも効果が期待できるので、血流を改善したい方やストレスを感じている方に向いていますよ。
こういう人におすすめ
⑴冷え性、貧血、疲労を感じている方
⑵血虚・気虚共に当てはまる方
③柴胡加竜骨牡蛎湯（さいこかりゅうこつぼれいとう）
柴胡加竜骨牡蛎湯（さいこかりゅうこつぼれいとう）は、神経の興奮状態を落ち着かせて心を穏やかにする作用があります。
度重なるストレスにより、気持ちが落ち着かない場合に適していますよ。
本来であれば、自分なりのストレス発散方法を見つけて実践するのが一番です。
しかし全員がそうできるとは限りません。
そんな時には、柴胡加竜骨牡蛎湯に頼るのも手段の一つですよ。
こういう人におすすめ
⑴毎日忙しくて、ストレスが溜まる一方の方
⑵イライラが抑えられずどうしようもない方
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④桂枝加竜骨牡蛎湯（けいしかりゅうこつぼれいとう）
桂枝加竜骨牡蛎湯（けいしかりゅうこつぼれいとう）は、神経質でイライラがたまりやすい方、憂鬱な気分になる方、物忘れが激しい方など気虚の状態に効果的です。
⑴細かいことが気になる神経質な方
⑵気分が憂鬱になる方、もの忘れが激しい方
⑤八味地黄丸（はちみじおうがん）
腎虚が原因の抜け毛に、効果が期待できる漢方の一つです。
この八味地黄丸（はちみじおうがん）は、加齢に伴う抜け毛に効果が期待できるとされており、他にも疲れ・手足の冷え・軽い尿漏れに悩む方に向いています。
こういう人におすすめ
⑴疲れやすい方・冷え性の方
⑵夜間頻尿・尿漏れなどの加齢現象に悩んでいる方
⑥補中益気湯（ほちゅうえっきとう）
補中益気湯（ほちゅうえっきとう）は、胃腸の働きを改善して、体力回復の手助けをしてくれる漢方です。
食欲不振・疲労・胃弱・病後の体力回復に使われていますよ。
胃腸の働きが悪くなると、いくら栄養価が高い食べ物を食べても、身体への吸収が悪くなってしまいます。
補中益気湯は、胃腸を健康な状態に戻し、栄養を効率良く消化吸収できる状態にする効果が期待できますよ。
漢方ってどうやって飲むと良いの？
西洋医学の薬と漢方では、服用方法が異なります。
服用方法を間違えてしまうと効果が半減してしまうので、服用前に確認しておきましょう。
白湯で飲みましょう
漢方は、水ではなく白湯で飲むのが一番良いとされています。
理由は白湯は不純物がなく吸収を助ける効果があるからです。
もちろん水で飲んでも問題はありませんが、漢方の効果を最大限発揮できるように、白湯で飲むのを心がけたいですね。
食前や食間の空腹時に飲みましょう
漢方薬は、基本的に食前や食間の空腹時に飲みます。
これは、胃にものが入っている状態だと漢方吸収が悪くなるとされているからです。
しかし漢方によっては食後に飲む場合もあるので、必ず医師の指示に従いましょう。
飲み合わせには気をつけましょう
漢方は併用禁忌の組み合わせがあり、自己判断で組み合わせて飲むのは危険です。
必ず医師又は薬剤師の指示に従ってくださいね。
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漢方で抜け毛対策の一歩を踏み出してはいかが？
抜け毛対策に漢方を使うのは初耳だった方も多いと思います。
漢方の良さは、体質や状態を考慮しそれぞれに合った処方をしてもらえる点です。
身体の内側から、抜け毛の原因に徐々に働きかける治療法です。
薄毛の治療法の一つとして、検討してみてくださいね。
