「頭皮にボコボコしたできものができたけど、原因がわからなくて不安…」
「頭皮のできものが気になるけど、病院を受診するタイミングがわからない…」
このように悩んでいませんか?
頭皮は目で見えない部分だからこそ、できものに気づいたとき、どうすればいいかわからず不安になりやすいです。
この記事では、頭皮のできものの4つの原因と改善策、潜んでいる可能性のある病気についてご紹介します。自身の症状と照らし合わせて原因を把握しましょう。
- ボコボコしたできものが頭皮にできる主な原因には、にきびや吹き出物、脂漏性皮膚炎などの疾患がある。
- 頭皮のボコボコしたできものの改善方法は、頭皮マッサージで血流を促す、生活習慣を改善するなど。
- 頭皮のボコボコしたできものを放置しておくと薄毛になる可能性がある。
ボコボコしたできものが頭皮にできる原因とは?
ボコボコしたできものが頭皮にできる原因は、以下の4つが挙げられます。
- にきびや吹き出物によるもの
- 湿疹があれば脂漏性皮膚炎によるもの
- 悪性腫瘍や脂肪腫によるもの
- 乾癬によるもの
①にきびや吹き出物によるもの
頭のボコボコしたできものの原因の1つは、にきびや吹き出物です。
にきびや吹き出物は尋常性ざ瘡とも呼ばれ、顔面や上半身の体幹部に現れます。頭皮は特に通気性が悪く、皮脂や汚れが溜まりやすい部位です。また、常在菌にとっても繁殖しやすい環境です。にきびは、皮脂や汚れが毛穴に詰まり、アクネ菌が増殖することで悪化します。
軽症のにきびは、黒にきび、白にきびとも呼ばれ、毛穴に皮脂が詰まったできものです。しかしアクネ菌が増殖して炎症が広がると、赤にきび、黄にきびと呼ばれ、かゆみや痛みをともないます。
参考:尋常性ざ瘡・酒さガイドライン2023(日本皮膚科学会)参考:にきび(ざ瘡)(MSDマニュアル)参考:ヘアケアの科学(繊維製品消費科学)
②湿疹があれば脂漏性皮膚炎によるもの
脂漏性皮膚炎は、頭皮や顔などの皮脂腺の密度が高い部位に生じやすい炎症性疾患です。赤い発疹がポツポツと出現することがあります。
原因はマラセチア属真菌の増殖であるといわれています。遺伝や気候、精神的または身体的ストレスに影響を受けることが多いです。
脂漏性皮膚炎では、かゆみや痛みをともない、黄色くベトベトした脂性フケが生じます。湿疹とベトベトとしてフケがあれば、脂漏性皮膚炎を疑いましょう。
参考:脂漏性皮膚炎(MSDマニュアル)
参考:脂漏性皮膚炎(日本医師会)
③悪性腫瘍や脂肪腫によるもの
悪性腫瘍や脂肪腫も、頭にボコボコとしたできものをつくる原因のひとつです。
悪性腫瘍は、いわゆるがんです。頭皮に発生する悪性腫瘍には、頭部血管肉腫と呼ばれる腫瘍があります。病状の進行は早いですが、早期発見できれば治療が可能です。
脂肪腫は、主に背部、肩、頸部に出現しやすい良性の腫瘍です。頭皮に比較的まれに現れます。脂肪腫は黄色か橙色で、直径は数mmから10cm程度までさまざまです。痛みはなく、触れると柔らかいしこりのようです。
参考:頭部血管肉腫診療ガイドライン(日本皮膚悪性腫瘍学会)
参考:脂肪腫(日本形成外科学会)
④乾癬(かんせん)によるもの
乾癬は、免疫系の異常によって引き起こされる慢性的な皮膚疾患です。乾癬になると炎症やかゆみをともなう赤くボコボコしたできものが生じます。
銀白色のフケも出ることがあり、原因は遺伝や外傷、感染などです。重症化すると、痛みのある関節炎も現れる場合もあります。脂漏性皮膚炎と併発することもあります。
参考:乾癬(MSDマニュアル)
【まず試したい】頭皮のボコボコしたできものの改善方法
頭皮のボコボコしたできものに対して、まず試してみてほしい改善方法は、以下の5つです。
- 頭皮マッサージで血流を促す
- ストレスのない生活を送る
- 頭皮を清潔にする
- 適切な食生活を送る
できものの原因がにきびや吹き出物であれば、頭皮環境を整えることで改善する可能性があります。まずは日常生活で試せる対処方法を紹介します。
①頭皮マッサージで血流を促す
頭皮マッサージは、頭皮の血流量を上昇させ頭皮環境の改善を促します。
3分間のセルフマッサージをすると、血流量が120%に上昇し、その効果が約20分間持続したという研究結果が報告されています。血流量が上昇すると、全身の酸素や栄養分が頭皮にまで行き届き、頭皮環境が整いやすいです。
また、血流量上昇だけでなく、頭皮の強張りやつっぱりなどの不快な自覚症状にもアプローチできます。
②ストレスのない生活を送る
ストレスは、頭皮の健康状態に悪影響を与える要因の一つです。ストレスが蓄積すると、自律神経が乱れ、血流量が低下したり、皮脂の分泌量が上昇したりします。
血流量の低下は、酸素や栄養分を頭皮まで届きにくくさせるため、頭皮環境が悪化し、以下のような症状が現れやすくなります。
- かゆみ
- フケ
- できもの
簡単にできるストレス解消法の例は、散歩や体操などの軽い運動や、入浴です。身体中の血流をよくすることで、ストレスに対処しやすくなります。アロマセラピーや音楽鑑賞など、リラックスできるような趣味を持つのもおすすめです。
参考:自律神経失調症(日本臨床内科医会)
参考:ストレスについて ー対処法 ー(日本成人病予防協会)
③頭皮を清潔にする
頭皮を清潔に保つことは、頭皮トラブルの改善に役立ちます。シャンプーで汚れを毎日落とすようにしましょう。
頭皮が清潔でないと、余分な皮脂が残ったり、細菌や真菌などが増殖したりと、できものが増えてしまう可能性もあります。
頭皮を清潔にするためにも、洗髪後は自然乾燥でなくドライヤーを使用してください。長時間髪が濡れたままだと、常在菌が繁殖する可能性があります。
ドライヤーの正しい使い方は以下の通りです。
- 頭皮を優しく揉むようにタオルドライ
- 髪から20cmほどドライヤーを離す
- 強温風で髪の根元を乾かす
- 強温風で毛先を乾かす
- 弱温風で前髪を乾かす
- 全体の80%ほどが乾いたら、冷風で仕上げる
④適切な食生活を送る
栄養バランスのとれた食生活を送ることは、頭皮の健康維持に必要です。頭皮に必要な栄養素は、主に以下が挙げられます。
- タンパク質
- ミネラル
- ビタミンA
- ビタミンB群
- ビタミンC
- ビタミンE
髪の毛は、ケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。タンパク質は、肉や魚、卵、大豆製品から摂取できます。また、ミネラルの一種である亜鉛は、体内でケラチンを合成するために必要な栄養素です。
ビタミンB群の中でも、ビタミンB2とB6は皮膚に重要な役割を持っています。体外から取り入れたタンパク質を体内に取り込むためにも働きます。
ビタミンAは細胞分裂を促し、ビタミンCは血管や頭皮に必要なコラーゲンを生成し、頭皮や毛髪の健康を維持する栄養素です。また、ビタミンEは、血液の流れを促し、頭皮まで栄養を行き渡らせます。
頭皮のボコボコしたできものが改善しない場合は病院の診察を受ける
頭皮環境を整えても頭のできものがなかなか改善しない場合は、医師の診察を受けましょう。何らかの病気が隠れている可能性があります。
にきびや吹き出物が原因ではない場合、冒頭で紹介した以下のような疾患が原因の可能性があるからです。
- 脂漏性皮膚炎
- 悪性腫瘍や脂肪腫
- 乾癬
自己判断で様子を見続けるのではなく、皮膚科医に相談し、医師の診断と適切な治療を受けることが大切です。
頭皮のボコボコしたできものを放置しておくと薄毛の原因になる場合もある
頭皮のボコボコしたできものは、頭皮からの大事なサインです。炎症やかゆみなどの違和感をともなうできものは、薄毛や脱毛が始まる予兆である可能性があります。頭皮環境が悪化していると、栄養が適切に行き渡らず髪が健やかに育ちにくくなるからです。
参考:日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版(日本皮膚科学会)
参考:脱毛症(脱毛)(MSDマニュアル)
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頭皮のボコボコしたできものに関するよくある質問
頭皮のボコボコしたできものに関するよくある質問は以下のとおりです。
- 頭皮のボコボコしたできものは何科に行くべき?
- 頭皮のボコボコしたできものを押すと痛いときはどうすればいい?
- 頭皮のできものがかさぶたになった場合は?
- 頭皮のできものが痛くない場合は?
頭皮のボコボコしたできものは何科に行くべき?
頭皮にボコボコしたできものがある場合、皮膚科を受診しましょう。頭皮は皮膚の一部です。全身の皮膚のできものと同じように、診断や治療法を提案してくれます。
頭皮のボコボコしたできものを押すと痛いときはどうすればいい?
頭皮にあるできものを押して痛みを感じる場合は、炎症が起きている可能性があります。このような症状は医師による診断と適切な治療が必要です。
頭皮のできものがかさぶたになった場合は?
かさぶたは、血漿(けっしょう)や炎症細胞などが固まってできたものです。つまり頭皮のできものに炎症が起きていた証拠です。感染のリスクも考えられるため、決してかさぶたを剥がさずに、皮膚科医に相談しましょう。
頭皮のできものが痛くない場合は?
頭皮のできものが痛くない場合でも、今後炎症が進んで痛みが現れる可能性があります。頭皮を清潔に保ってケアしていても、できものが改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。早期発見が重要な疾患もあります。
ボコボコしたできものが頭皮にできたら原因と対処方法を知ろう
頭皮にできものができる原因は、馴染みのある「にきび」から、リスクの大きい悪性腫瘍までさまざまです。またできものを放置してしまうと、かゆみや薄毛など他の症状も現れる可能性があります。
この記事でご紹介した原因や疾患に当てはまる症状があったら、早めに皮膚科を受診してください。自己判断で様子を見ることは危険です。
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