【医師監修】ノコギリヤシは薄毛予防に効く？髪が細くなる噂について徹底解説

ノコギリヤシは育毛にいいと言わてれる健康食品の一つですが、育毛とは反対に髪が細くなるという噂あります。

せっかく髪を成長させたいのに細くなってしまっては意味がないですよね。
ノコギリヤシをとって髪が細くなるなんてこと、本当にあるのでしょうか？

今回はそんな疑問を解決すべく、ノコギリヤシの効果やノコギリヤシによって髪が細くなる可能性を調査しました。

ノコギリヤシに関する噂を検証する前に、まず効果について知っておきましょう。
ノコギリヤシは、前立腺肥大の予防・改善、薄毛・抜け毛の予防などの効果があると言われています。

これは、ノコギリヤシに5αリダクターゼという酵素の働きを阻害する作用がある、と考えられているためです。
5αリダクターゼは、テストステロンという男性ホルモンの1種と結合し、強力な男性ホルモンDHT（ジヒドロステロン）をつくりだす働きがあります。

このDHTとは、AGA（男性型脱毛症）の原因とされているホルモンのことを言います。
つまりノコギリヤシが5αリダクターゼの作用を阻害することで、このDHTの産生を抑制するため、薄毛・抜け毛の予防効果があると言われているのです。

しかし、このノコギリヤシの効果については、まだ科学的な根拠は明確に示されていないというのが現状です。

ノコギリヤシの作用によって髪が細くなるという根拠はありません。
しかし、ノコギリヤシで髪が細くならないという根拠もないのです。

ノコギリヤシの作用として一般的にいわれている、5αリダクターゼを抑制する作用によって髪がどんどん細くなるということは、考えにくいといえます。
実際、5αリダクターゼの抑制効果が認められている他の成分（注1）でも、髪が細くなるといった副作用の記載はありません。

ただ、ノコギリヤシの効果は薄毛以外に関しても、明確な科学的な根拠はなく、その作用についての研究結果なども多くないのが現状。

そのため、一概に髪が細くなることはないとは断言はできないのです。

でも、髪が細くなることが考えにくいのに、どうしてそのような噂があるのでしょうか？
その理由を解説していきましょう。

• 薄毛の原因がDHT（男性ホルモン）ではなく薄毛が進行した
• ノコギリヤシの効果が現れず薄毛が進行した
• ノコギリヤシを飲み始めたばかりで薄毛が進行した

ノコギリヤシは、DHTの生成を抑制する効果があるのではないかと考えられている植物です。
薄毛の原因がDHTでなければ、その効果は発揮されませんよね。

つまりDHTとは関係のない原因で薄毛が起きている場合、ノコギリヤシをとっても薄毛は進行し続けてしまうと考えられるのです。
また、もしDHTが薄毛の原因になっていたとしても、ノコギリヤシの効果が現れなければ、薄毛は進行し続けてしまいます。

いくら髪に良いといわれているノコギリヤシでも、すべての人に効果的とは限りません。
さらに、ノコギリヤシを取り始めてからの期間が短く、効果が現れ始めるまでに薄毛が進行してしまったという場合も考えられます。

つまり、ノコギリヤシを飲んだことで髪が細くなるというよりも、薄毛の症状が進行したため髪が細くなったように感じられたのではないかといえるのです。

ノコギリヤシは薄毛に効果的と言われています。
しかし、科学的な根拠はまだなく、その効果ははっきりとは認められていません。

もし薄毛治療をしたいのであれば、効果がきちんと認められている発毛薬を使うのが良いです。

ノコギリヤシで髪が細くなることは、考えにくいことがわかりました。
しかし、ノコギリヤシの効果についても十分な根拠はありません。

そのため、髪が細くなる可能性もゼロとは言えず、さらに薄毛にしっかり効果があるとも言い難いのが現状です。

ノコギリヤシも含め、そのほかの育毛に良いと言われる成分に関しても正しい知識を持って、ご自身にあった薄毛対策をするようにしてくださいね。