若いころと比べて額の生え際がM字型に後退してきたと感じたら、M字ハゲを心配されるかもしれません。M字型の生え際には、生まれつきのものもあれば、AGAなどの後天的な要因も考えられます。この記事では、M字ハゲの原因や見分け方を説明し、原因に応じた治療方法や対応策についてご紹介します。AGAが原因となるM字ハゲは、早期に対応することで高い効果を期待できます。最近、生え際の薄毛が気になり始めた方は、ぜひ参考にしてください。
M字ハゲとは?
M字ハゲとは、前頭部の生え際がM字状に後退していく、男性型脱毛症の一種です。一般的に、M字ハゲは生え際の中央部分の髪が比較的残りやすい一方、左右の生え際が剃り込みのようにM字型に後退するのが特徴です。
M字ハゲには、生まれつき生え際が富士山のように見える先天的なケースもありますが、AGAの症状として進行する後天的なものも考えられます。また、M字ハゲは、特に男性ホルモンの影響を受けやすく、早ければ10代や20代の若い男性にも発生する可能性があります。
M字ハゲの基準
M字ハゲの基準には、明確な目安が定められているわけではありません。一般的には、目を見開いて眉を上げたときにできる一番上のシワから指2本分、もしくはそれ以上の後退が見られる場合、進行性のM字ハゲの可能性があると考えられます。
ここからは、AGAによるM字ハゲを判断するための具体的な方法を紹介します。M字ハゲの改善を目指すためには、早めに頭皮の状態を確認し、適切な対応を始めることが重要です。気になる症状が現れた場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。
髪の毛の薄さ
M字ハゲの症状として特徴的な「髪の毛の薄さ」は、一般的に頭皮の見え方から判断されます。AGAによるM字ハゲでは、ヘアサイクルの乱れによって髪が細く弱くなり、頭皮が透けて見えやすくなる傾向があります。
鏡に映る頭頂部を、過去の写真などと比較し、以前より頭皮が目立つと感じる場合はAGAによるM字ハゲの兆候が疑われます。
生え際
M字ハゲの場合、生え際の後退の形が特徴的です。額の中央部分の髪が残り、左右の生え際が後退して「M」字の形を形成している場合、M字ハゲの可能性が考えられます。
ただし、このような生え際の形は、「富士額」と呼ばれる生まれつきの形状とも似ています。そのため、家族や親族の遺伝的背景や、生え際の変化が時間の経過とともに進行しているかどうかなどを総合的に判断することが重要です。
専門家の診断をもらおう
M字ハゲの正確な診断は、皮膚科やAGA治療専門のクリニックで、専門的な知識を持つ医師に相談することをおすすめします。
診察ではまず、目視により頭皮の状態を観察し、髪の薄さや生え際の後退具合などからM字ハゲの可能性を確認します。その後、より詳しく診断するために、専門的な機器を用いて頭皮や髪の密度、毛根の状態、毛周期などを調べ、M字ハゲの進行状況や将来的な進行速度を評価します。
このように、M字ハゲの状態を正確に把握することで、適切な対応や治療を効果的に進められる可能性が高まります。もしM字ハゲが進行していると感じた場合には、早めに専門医に相談することが大切です。
これってM字ハゲ?勘違いしている可能性も
M字ハゲと「富士額」の生え際は非常によく似ているため、M字ハゲの進行に気づきにくいことがあります。ここでは、AGAによるM字ハゲと「富士額」など生まれつきの生え際を見分けるポイントについてご紹介します。
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M字ハゲの前兆:どこから進行する?
AGAによるM字ハゲの発症率は、20代でも約10%とされています。つまり、AGAによるM字ハゲは、薄毛や頭皮の変化が気になり始める30代や40代に限らず、早い場合は10代や20代の若年層にも発症するリスクがあります。
なお、AGAによるM字ハゲの前兆は、額の広がりや髪の健康状態に表れることがあります。もし以下のような症状が見られた場合は、早めに専門医に相談することが大切です。早期に対応することで、予防効果を高められる可能性があります。
生え際が薄くなり、額が広くなってきた
生え際の頭皮が赤くなり、痒みを感じることがある
M字部分の髪の毛が細くて弱々しくなってきた
抜け毛の量が1日200本以上に増えた
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M字ハゲと生まれつきを見分けるには?
生まれつき「富士額」と呼ばれる特徴的な額を持つ人もいます。「富士額」とM字ハゲの初期症状は似ていますが、それぞれに異なる特徴があります。まずは、「富士額」の特徴について見ていきましょう。
生まれつき前髪の生え際が富士山のような形をしている
生え際がゆるやかなハート型のような丸みを帯びたカーブを描いている
幼いころから額の形が変わらない
このような「富士額」は、幼いころから額の形が変わらず、女性にも多く見られるのが特徴です。一方で、以下のような特徴が見られる場合には、M字ハゲの可能性が高いと考えられます。
額の左右の生え際が切り込むように深くなっている
過去の写真よりも両端の生え際が後退している
男性に多く見られる
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M字ハゲは治らない?
髪の毛を生やす「毛母細胞」が死滅してしまうと、AGA治療による発毛の効果が期待できません。そのため、M字ハゲが進行すると、元の状態に戻すのは難しいとされています。
ただし、AGA治療や対策を早期に開始することで、M字ハゲの進行を遅らせることは可能です。まずは生活習慣を見直し、頭皮環境を整えましょう。
また、M字ハゲを改善するための最も重要なポイントは、早期発見と適切な治療です。前述の通り、AGAによるM字ハゲの初期症状には、髪の薄さや髪質の変化、抜け毛の増加などの予兆が見られることがあります。これらの症状に気づいた場合は、早めにAGA治療専門クリニックで診察を受けることをおすすめします。
M字ハゲの原因
では、なぜM字ハゲは発生するのでしょうか? M字ハゲの原因には、遺伝などの先天的な要因が多い一方で、後天的な要因によって発症するケースもよく見られます。ここでは、M字ハゲの主な原因として考えられる以下の要因について詳しく説明していきます。
AGA(男性型脱毛症)
AGA(男性型脱毛症)は進行性の脱毛症です。主に男性ホルモンのひとつである「ジヒドロテストステロン(DHT)」の影響で、ヘアサイクルに乱れが生じ、毛髪が徐々に薄くなります。特に成人男性では、前頭部(額)や頭頂部(つむじ)の毛髪が薄くなることが多くあります。
AGAは10代や20代の若年層にも発生する可能性があり、M字ハゲの多くはAGAによるものと考えられています。また、AGAは進行性の脱毛症であるため、自然治癒することはありません。ただし、早期にAGA治療専門クリニックなどで専門医の診断を受け、外用薬や内服薬を適切に使用することで、AGAの進行を遅らせたり、発毛を促進することは期待できます。
牽引性脱毛症
M字ハゲの原因としてもうひとつ考えられるのは、牽引性脱毛症です。牽引性脱毛症は、頭皮が傷つき血行不良になることで、髪が細くなったり、抜け毛が増える脱毛症です。
ポニーテールで髪を強く結んで引っ張ったり、タオルを頭に巻いたり、カチューシャや帽子を長時間着用する習慣がある方に発生するM字ハゲは、牽引性脱毛症が原因である可能性があります。そのため、M字ハゲは、髪を強く結ぶことが多い女性にも発症することもあります。
なお、牽引性脱毛症は遺伝や男性ホルモンの影響によるものではないため、ヘアスタイルや習慣を見直すことや、頭皮マッサージを行うことでM字ハゲが改善するケースも多く見られます。
遺伝
M字ハゲには遺伝的要素が大きな影響を与えます。両親や祖父母などの近い親族にM字ハゲの方がいる場合、その遺伝子を引き継ぐ可能性が高まります。特に、母方の祖父がM字ハゲの場合、その遺伝子が約50%の確率で「隔世遺伝」することが知られています。
近年では、AGA治療専門のクリニックなどで、AGAになりやすいかどうかを遺伝子解析によって判定することが可能です。検査自体は負担が少なく、口内の粘膜を綿棒でこするだけで完了します。
なお、遺伝性のAGAやM字ハゲであっても、AGA治療の効果を期待できないわけではありません。専門医の正しい診断と適切な治療によって、症状の改善が見込まれる場合があります。
ホルモンバランス
ホルモンバランスは、AGAによるM字ハゲの進行に大きな影響を与えます。特に、男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン(DHT)」が過剰に分泌されると、ヘアサイクルが乱れ、毛髪が細くなったり、抜け毛が増加することで髪の成長が妨げられます。
ホルモンバランスの乱れによる薄毛は、男性だけでなく女性にも影響を与えることがあります。女性の場合、自律神経失調症、加齢、ストレス、出産、更年期障害などが影響し、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」や「プロゲステロン」の分泌量が変化することで、薄毛を引き起こす可能性があるとされています。
ストレス・生活習慣
ストレスや生活習慣の適切な管理は、M字ハゲの予防において重要なポイントです。ストレスや乱れた生活習慣は、M字ハゲの進行を促す可能性があります。頭皮や髪の毛へのエネルギー供給は優先順位が低く、不規則な生活、睡眠不足、運動不足、バランスの悪い食事が続くと血行が悪化し、髪の毛の成長に必要な栄養が届きにくくなります。
さらに、過度のストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、体内に炎症反応を引き起こす可能性があります。その結果、頭皮環境が悪化し、M字ハゲが引き起こされるリスクが高まることがあります。
M字ハゲへの対策
将来起こり得るM字ハゲを予防する、または進行を食い止めるためには、今すぐにでも取り入れられる対策がいくつかあります。この項目では、おすすめの対策方法を4つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
AGA治療
M字ハゲの原因の多くはAGAによるものと考えられるため、少しでも前髪の生え際が薄くなったと感じたり、生え際にM字型の後退が見られる場合は、早めに専門医に相談することをおすすめします。
AGAは進行性の脱毛症であり、専門的な治療が必要です。AGAの治療では、症状に応じて男性ホルモンの影響を抑制する「フィナステリド」や、発毛効果が期待できる「ミノキシジル」などが配合された治療薬を使用するのが一般的です。
生活習慣を見直す
M字ハゲの予防には、食事、睡眠、運動などライフスタイルの見直しが重要です。健康な髪の成長に必要なタンパク質、亜鉛、ビタミンA、B群、C、Eなどの栄養素を多く含むバランスの良い食事を心がけましょう。
また、摂取した栄養素を毛母細胞まで届けるために、運動習慣を取り入れることも大切です。適度な運動は血行を改善し、ストレスを解消する効果が期待できます。さらに、健やかな髪の成長には、十分な睡眠も欠かせません。
頭皮マッサージ
頭皮マッサージは、AGAによるM字ハゲの対策として効果的です。頭皮マッサージは、頭部の血流を改善し、髪の毛に必要な栄養素が行き渡るようにするだけでなく、リラックス効果や自律神経の調整にも役立つと考えられています。
簡単な頭皮マッサージの方法としては、清潔な手のひらを使って頭部を包み込み、指先で頭皮と頭蓋骨を剥がすようなイメージで優しく上下にもみほぐします。また、指先で軽くトントンと頭皮を叩いたり、肩や首、頭頂部のツボを押すことも効果的です。
髪型を合わせる
生まれつきの「富士額」が気になる場合は、前髪を増やしたり、ヘアスタイルを変更することで生え際を目立たなくするのが良いでしょう。
また、牽引性脱毛症によるM字ハゲの場合は、髪を強く結ぶ頻度を減らしたり、結ばなくても良いショートヘアにすることで改善の可能性があります。さらに、日常的に帽子やヘルメットを着用する必要がある場合は、通気性の良いものを選んだり、着用時間を調整することで、頭皮環境を整えることが重要です。
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進行中のM字ハゲの治し方
生活習慣の改善や頭皮マッサージなどのセルフケアだけでは、思うような効果が得られないほど進行してしまったM字ハゲも、手遅れではありません。M字ハゲの状態に応じた適切なAGA治療を施せば、症状の改善や進行の予防が期待できます。
AGA内服薬
AGA治療専門クリニックでは、主にAGA内服薬を中心に治療が行われます。代表的な内服薬としては、AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の生成と働きを抑制する「デュタステリド」や「フィナステリド」がファーストチョイスとして多く利用されています。
AGA内服薬は、外用薬に比べて高い効果が期待できるのが特徴です。早い方では、治療開始から3ヵ月程度で効果を実感できると言われています。
AGA外用薬
直接患部に塗布してアプローチするAGA外用薬も、多くのクリニックで使用されている治療法です。AGA専門クリニックでは、血行促進と発毛効果が期待できる「ミノキシジル」の外用薬と、AGA内服薬を併用してより高い効果を得るのが一般的です。
AGA外用薬の発毛効果は、AGA内服薬に比べて緩やかですが、副作用のリスクが低いため、日本皮膚科学会のAGA治療ガイドラインでも、使用が強く推奨されています。
毛髪再生メソセラピー
毛髪再生メソセラピーは、薄毛が気になる部位に注射やレーザー、超音波を用いて、発毛や育毛に有効な成分を浸透させる治療法です。M字ハゲの薄毛が気になる部分に太い毛をたくさん生やし、見た目を大きく改善したい場合に有効です。
毛髪再生メソセラピーは、AGA治療薬と併用することで、短期間での発毛効果を期待することができます。一般的には、治療開始から1年目に急速改善期を迎えることが多く、そのタイミングでメソセラピーを併用します。
自毛植毛
自毛植毛は、M字ハゲが大きく進行している場合に有効な治療法です。自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部から自分の毛を採取し、薄毛や抜け毛が気になる部位に移植する治療法です。
自毛植毛では、髪を成長させる組織ごと移植するため、植え替え後も髪が自然に成長し、毛根細胞が健康な限り新たな髪が生えてきます。また、自分の毛を使用するため、拒絶反応や炎症、感染症のリスクが低く、安全な治療法とされています。
毛根再生注射
毛根再生注射は、自分の健康な毛包組織を後頭部から採取し、それを粉砕して加工した液体を、髪の成長が不十分で弱くなっている部分に注入することで効果を発揮する新しいAGA治療法です。この治療法では、早ければ1ヵ月程度で効果を実感できることが期待されています。
また、発毛や育毛に有効な成分を浸透させるメソセラピーと併用することで、さらに効果を高められると考えられています。ただし、現在のところ、毛根再生注射を提供するクリニックは限られています。
薄毛に関する相談は”AGAスマクリ
AGAスマクリは、オンライン診療を提供する投薬治療中心のAGA治療専門クリニックです。専門医による診断のもと、頭皮の症状に合わせて「フィナステリド」と「ミノキシジル」を組み合わせた「男性プラン」と「プロペシアプラン」の2種類の治療プランから選ぶことができます。
AGAスマクリは、M字ハゲの相談に対してまだ恥ずかしさを感じる若年層にもおすすめです。
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まとめ
M字ハゲは、AGAの他にも、生まれつきの「富士額」や遺伝、牽引性脱毛症、ホルモンの変化、生活習慣の乱れなど、さまざまな原因が考えられます。また、早ければ10代や20代の若年層にも発生する可能性があります。
AGAを原因とするM字ハゲの進行予防と改善には、早期の発見と治療の開始が重要です。年齢に関わらず、額の生え際がM字状に後退したり、抜け毛が気になり始めたら、早めに専門医の診察を受けましょう。