監修医師
成田亜希子 医師
成田亜希子医師は日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。一般内科医として幅広い疾患の診療に向き合った後、医療系行政機関にて勤務をし、病院や診療所への行政審査、行政指導、介護行政、母子保健、精神福祉等を担当。
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ミノキシジル配合育毛剤とは?
ミノキシジル配合育毛剤は壮年性脱毛症に悩まされている方に有効です。しかし、はじめて育毛剤を使用する方だとどのような成分が配合されているのか、分かりにくいでしょう。
今回はミノキシジル配合育毛剤について、以下の内容を中心に解説していきます。
- ミノキシジルの他にも配合されている成分
- ミノキシジルで期待できる効果
- 発毛剤ミノキシジルとの違い
- ミノキシジル以外の育毛剤について
- ミノキシジル配合育毛剤の副作用や禁忌について
飲む育毛剤や海外の育毛剤についても解説します。
薄毛が気になる方は参考にしてください。
ミノキシジル配合育毛剤のその他基本的な配合成分を比較
ミノキシジル配合育毛剤によっては、以下の成分を配合しています。
- トコフェロール酢酸エステル
- メントール
- パントテニールエチルエーテル
どのような特徴がある成分なのか比較していきます。
トコフェロール酢酸エステル
トコフェロール酢酸エステルは薬効分類がビタミンE剤となる成分です。過酸化脂質の増加防止による育毛が期待できます。
過酸化脂質は脂質(コレステロールや中性脂肪)が活性酸素で酸化したときに生成されます。血液の流れを悪くすると考えられており、抜け毛につながる恐れがある物質です。
メントール
メントールは薬効分類が矯味・矯臭剤となる成分です。
期待できる主な作用は以下をご覧ください。
- 清涼感を与える
- かゆみを抑える
- 不快なにおいを抑える
- 消炎作用
メントールはミノキシジル配合育毛剤の使用感を高めたいときに役立つ成分です。育毛剤の他、メントール入りの歯磨きやチューインガムなどが見られます。
パントテニールエチルエーテル
パントテニールエチルエーテルは無色〜淡⻩色の澄明液体です。体内でビタミンB群のひとつ、パントテン酸に変化して作用します。
栄養補給による毛母細胞の活性化が期待できる成分です。保湿目的で化粧品にも良く用いられています。
▼毛母細胞を活性化する方法はこちら▼
ミノキシジル配合育毛剤の効果
ミノキシジルは血管拡張効果を持つ成分です。頭皮の血流を改善し、毛母細胞を活性化します。
ヘアサイクルの休止期→成長期への移行で発毛促進が期待できる成分です。個人差がありますが、発毛を実感できまで3か月~6か月ほどかかります。
使用を中止すると効果が切れるため、発毛を実感できた後も使用を継続してください。
6か月以上過ぎても発毛を実感できないときは使用を中止します。その他の効果の特徴は以下の解説をご覧ください。
医薬品のミノキシジル効果で起きる初期脱毛
人によっては医薬品のミノキシジル使用で初期脱毛が起きる場合があります。
ミノキシジルの効果により古い毛髪が新しい毛髪に押し出されるように抜けるのが初期脱毛の特徴です。
ヘアサイクルが正常でもともと薄くない方は、初期脱毛が起きないと考えられます。
初期脱毛が起きても自然に治まるケースが多いですが、なかなか初期脱毛が治まらないときは医師に相談してください。
▼初期脱毛の見分け方と対策方法はこちら▼
市販の薬用育毛剤=医薬部外品、絶対生える保証はない
育毛剤によっては医薬部外品に分類されています。薬用の文字が付く市販の育毛剤は医薬部外品に分類されることが多いです。
医薬部外品の育毛剤によって異なりますが、センブリエキスやオウゴンエキスなど植物由来の成分を主に配合しています。(ミノキシジルの配合なし)
医薬部外品は医師による処方箋、薬剤師や登録販売者のアドバイスなしで購入できます。人に期待できる作用は医薬品と化粧品の中間です。
医薬部外品の育毛剤は、現在生えている毛髪の育毛に役立ちます。育毛には有効ですが、絶対生える保証はありません。
海外の育毛剤は高濃度ミノキシジル入り、成分濃度や剤形などの違い
ミノキシジル配合育毛剤によって主成分の濃度に違いがあります。国内最大濃度、高い発毛効果を期待できるのが5%濃度のミノキシジルです。
ただし、5%のミノキシジルは男性用、女性は1%のミノキシジルを使用してください。
日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは女性は1%、男性は5%のミノキシジル濃度を推奨しています。
また、海外のミノキシジル配合育毛剤では濃度7~16%が存在しています。しかし、ミノキシジル高濃度の育毛剤は副作用が出やすいため、使用には注意が必要です。
フォーム・リキッド・クリームの剤形がある
ミノキシジル配合育毛剤にはフォーム・リキッド・クリームなどの剤形があります。
べたつきが気になる方はリキッド、液だれが気になる方はフォームまたはクリームが使いやすいです。
主な剤形 | 主な特徴 |
フォーム | ピンポイントで使いやすい・液だれしにくい |
リキッド | べたつきにくい・液だれすることがある |
クリーム | ピンポイントで使いやすい・液だれしにくい ・べたつくことがある |
ロニテンのジェネリック、経口服用タイプのミノキシジルタブレット
頭皮に塗るタイプの育毛剤の他、口から飲むタイプのミノキシジルタブレットがあります。
ファイザー社ロニテンのジェネリックとなるのがミノキシジルタブレットです。血管拡張薬として使用されていますが、ミノキシジルによる発毛が期待できます。形状・剤形は経口服用タイプの錠剤です。
飲むミノキシジルタブレットは心臓付近の動脈に作用させやすいです。そのため、ミノキシジル育毛剤より高い効果が期待されています。
ミノキシジルタブレットには2.5㎎・5㎎・10㎎の錠剤があります。用量の多い10㎎は副作用のリスクが高いです。
2.5㎎でも5㎎でも副作用のリスクがあるため、医師の指示に従って使用してください。
発毛剤ミノキシジルとの違い
次からは、ミノキシジル配合育毛剤と発毛剤との違いを解説していきます。
発毛効果を期待する方は発毛剤を選んでください。
国内のミノキシジルは基本発毛剤、薬局・ドラッグストア・Amazonでも購入できる
国内のミノキシジルは基本的に発毛剤です。壮年性脱毛症(AGA)での発毛目的に使えます。医薬部外品の育毛剤は頭皮環境を整え、抜け毛を防ぐのが目的です。
また、海外のミノキシジル配合育毛剤は市販されていません。
個人輸入で入手できるものの手間がかかります。国内の発毛剤は市販されており、薬局・ドラッグストア・Amazonなどで手軽に購入できます。
大正製薬のリアップは発毛効果が期待できる
医薬部外品の育毛剤と違い、大正製薬のリアップX5プラスネオは発毛効果が期待できる第1類医薬品です。
大正製薬の他、国内には以下の発毛剤があります。
- ロート製薬のリグロEX5
- 佐藤製薬のアロゲイン5
- アンファーのスカルプD メディカルミノキ5
リアップX5プラスネオ同様、国内最大濃度5%の発毛剤です。
▼リアップの効果と副作用についてはこちら▼
大正製薬のリアップリジェンヌは女性用
医薬部外品の育毛剤によっては男性用です。
男性用の育毛剤を女性が使用しても合わないことがあります。
ミノキシジル5%、国内最大濃度の発毛剤も男性用です。大正製薬では女性用としてミノキシジル1%のリアップリジェンヌを用意しています。
プロペシアやザガーロは育毛剤として使用されやすい
頭皮に塗る発毛剤と違い、飲む育毛剤として使用されやすいのがプロペシアやザガーロです。
壮年性脱毛症による抜け毛を防ぎたいときに有効とされています。
ミノキシジルの場合、口コミで前頭部への効果がないといった評判が見られます。
前頭部にはほぼ効果ない。
引用元: https://minhyo.jp/riup?page=2
リアップに関するみんなの評判
しかし、プロペシアとザガーロは前頭部にも有効です。ミノキシジルとプロペシアまたはザガーロは併用できます。
併用により、プロペシアまたはザガーロで生え際の抜け毛を防ぎながらミノキシジルで発毛を狙う対策が可能です。
ミノキシジル以外の育毛剤とは
ミノキシジル以外の育毛剤を探している方は、プロペシア・ザガーロに注目です。
以下の成分が日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインで推奨度Aと評価されています。
- フィナステリド内服(プロペシア)
- デュタステリド内服(ザガーロ)
- ミノキシジル外用
上記は医学的根拠(エビデンス)がある信頼性の高い成分です。
次からは、プロペシア・ザガーロの効果や使用方法などについて解説していきます。
フィナステリド(プロペシア)は40歳未満や比較的症状の軽い方におすすめ
プロペシアの主成分フィナステリドには、5α還元酵素Ⅱ型を阻害する効果があります。
壮年性脱毛症(男性型脱毛症)は男性ホルモンのテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)へと代謝させる5α還元酵素が原因です。
ジヒドロテストステロンには脱毛作用があります。フィナステリドの効果により、ジヒドロテストステロンを抑えて脱毛を予防します。
フィナステリドは1日1回0.2㎎を服用、効果が出ないときは1日1mgを上限として増量可能です。
フィナステリド(1日1㎎を5年間使用)の研究により、99.4%の効果が認められました。40歳未満の方、比較的症状の軽い方ほど効果が出やすいです。
デュタステリド(ザガーロ)は効果の持続性を求める方におすすめ
ザガーロの主成分デュタステリドには5α還元酵素Ⅰ型とⅡ型を阻害する効果があります。デュタステリドは1日1回0.1㎎を服用します。
効果が認められないときは0.5㎎まで増量可能です。
デュタステリドの半減期(薬効成分の血中濃度が半分になるまでの期間)は3〜5週間ほど、フィナステリド(半減期3~4時間ほど)より長いです。
半減期が長い分だけ、プロペシアより効果が持続しやすいと考えられます。
ただし、副作用も持続しやすい点には注意してください。
ミノキシジル配合育毛剤の副作用・禁忌
ミノキシジルには発毛効果が期待できるメリットがある反面、副作用・禁忌のデメリットがあります。
気になる副作用が出たときは使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
禁忌の方はミノキシジルを使用しないでください。
ミノキシジル配合育毛剤の副作用
ミノキシジル配合育毛剤では以下の副作用が出る可能性があります。
ミノキシジルを大量に使用すると副作用のリスクが高まります。
大量に使用しても効果は上がりませんので、ミノキシジル配合育毛剤の正しい用法・用量を守ってください。
皮膚の症状 | 発疹・発赤・かゆみ・かぶれ・ふけ・熱感など |
精神神経の症状 | 頭痛・気が遠くなる・めまい |
循環器の症状 | 胸の痛み・動悸 |
代謝の症状 | 急激な体重増加・手足のむくみ |
ミノキシジル配合育毛剤の禁忌
5%濃度のミノキシジル配合育毛剤では、以下に当てはまる方が禁忌です。
身体に悪影響が出る恐れがあるため、使用する前に禁忌を確認してください。
使用してはいけない方
以下は5%濃度のミノキシジル配合育毛剤を使用してはいけない方です。
- 本剤または本剤の成分でアレルギー症状が出た
- 女性(日本人女性への安全性が未確認)
- 未成年(20歳未満の国内使用経験なし)
- 壮年性脱毛症以外の脱毛症
- 脱毛の原因が分からない
ミノキシジル配合育毛剤が有効なのは壮年性脱毛症のみです。
円形脱毛症・牽引性脱毛症・分娩後脱毛症・甲状腺疾患による脱毛など、他に原因がある方は使用しないでください。
以下の使用上の注意も守ってください。
- 育毛剤の使用は頭皮のみ、内服しないこと(血圧が下がる可能性あり)
- きず・湿疹・炎症などがある頭皮に使用しないこと(悪化する可能性あり)
- 他の塗る育毛剤と併用しないこと(成分の吸収に悪影響が出る可能性あり)
使用前に医師または薬剤師への相談が必要な方
以下は5%濃度のミノキシジル配合育毛剤使用前に医師または薬剤師への相談が必要な方です。
- 過去に薬や化粧品などでアレルギー症状が出ている(発疹・発赤・かゆみ・かぶれなど)
- 高血圧・低血圧(血圧に影響が出る可能性あり)
- 心臓または腎臓に障害がある(心臓や腎臓に影響が出る可能性あり)
- むくみがある(むくみが悪化する可能性あり)
- 65歳以上(好ましくない症状が出る可能性あり)
- 甲状腺機能に障害がある(甲状腺疾患による脱毛の可能性あり)
壮年性脱毛症は遺伝しやすいと考えられています。
そのため、薄毛の家族(親・兄弟・祖父)が見られない方の場合、壮年性脱毛症以外の原因を考えてください。
男性の壮年性脱毛症では生え際や頭頂部より少しずつ症状が進行していきます。
急激に脱毛する、側頭部や後頭部より脱毛するなど、壮年性脱毛症と違う症状が見られる方は医師に診てもらうと良いです。
AGAスマクリでの薄毛治療費用
『AGAスマクリ』での「ミノキシジル」「フィナステリド」の処方費用の表になります。月額4,980円 (税込)で「フィナステリド1.3mg」と「ミノキシジル5mg」を提供しており、診察料金や別途料金などがかかりません。
その他、AGAスマクリでは場所を選ばず、オンライン診療が可能。薬代全額返金制度があるAGAクリニックとなります。人件費などを抑えているため、かなりの安さでAGA治療に貢献しています。
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まとめ
ミノキシジル配合育毛剤について、以下の点を解説してきました。
- 頭皮に塗るタイプの育毛剤
- 血管拡張による発毛促進が期待できる
- 育毛剤によってはトコフェロール酢酸エステル・メントール・パントテニールエチルエーテルも配合
- 男性は5%濃度、女性は1%濃度を推奨
- 海外では濃度7~16%の育毛剤があるが副作用に注意
- ミノキシジルタブレットは高い効果が期待できるが医師の指示のもとで使用
- ミノキシジルと飲む育毛剤プロペシアまたはザガーロは併用可能
国内のミノキシジル(塗るタイプ)は発毛効果が認められている第1類医薬品です。
ただし、副作用・禁忌には注意してください。
副作用が心配な方は使用前に医師または薬剤師に相談すると良いです。